3 地域における精神医療の評価


キーワード|精神科ショート・ケア|精神科デイ・ケア|精神科デイ・ナイト・ケア|通院・在宅精神療法|認知療法・認知行動療法|精神科継続外来支援・指導料|抗精神病特定薬剤治療指導管理料

平成24年度診療報酬改定の改定項目

地域における精神医療の評価 骨子【Ⅰ-3-(3)】

第1 基本的な考え方
地域における精神医療について、精神科デイ・ケア等の要件の見直し、通院・在宅精神療法で精神科救急医療体制の確保に協力等を行っている精神保健指定医の評価、認知療法・認知行動療法の要件の見直し、多剤・多量投与の適正化について精神科継続外来支援・指導料の要件の見直し、治療抵抗性の統合失調症治療の評価を行う。

第2 具体的な内容

1.精神科訪問看護の報酬体系の見直し


(1) 訪問看護指示は、疾病等により通院による療養が困難な者に対して指示を行うものであるが、精神科訪問看護においては、こうした患者以外の患者に対しても訪問看護が必要な場合もあるため、見直しを行う。

(2) 訪問看護療養費は、現在精神科に着目した点数は精神障害者社会復帰支援施設に入所している複数の者に対するものしかないため、精神科専門療法の精神科訪問看護・指導料と同様の整理を行う。
重点課題2-5-③」を参照のこと。


2.精神科デイ・ケア等の見直し


(1) 精神科デイ・ケア等は、精神科病院からの退院、地域移行に必要なサービスの一つであり、精神科デイ・ケア(1日につき6時間)と精神科ショート・ケア(1日につき3時間)の大規模なものについて要件を見直し、患者の状態像に応じた疾患ごとの診療計画を作成して行った場合に算定できることとする。また、入院中の患者が精神科デイ・ケア又は精神科ショート・ケアを利用した場合の評価を行う。

現行 改定 
【精神科ショート・ケア】(1日につき)
1 小規模なもの 275点
2 大規模なもの 330点

[算定要件]
別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において行われる場合に算定する。


 
【精神科ショート・ケア】(1日につき)
1 小規模なもの 275点
2 大規模なもの 330点

[算定要件]
① 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において行われる場合に算定する。ただし、2については、疾患ごとの診療計画を作成して行った場合に算定する。
② I011精神科退院指導料を算定し退院予定の入院中の患者に対して精神科ショート・ケアを行った場合は、所定点数の100分の50に相当する点数を算定する。ただし、入院中1回までとする。
 
【精神科デイ・ケア】(1日につき)
1 小規模なもの 590点
2 大規模なもの 700点

[算定要件]
別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において行われる場合に算定する。 
【精神科デイ・ケア】(1日につき)
1 小規模なもの 590点
2 大規模なもの 700点

[算定要件]
① 別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において行われる場合に算定する。ただし、2については、疾患ごとの診療計画を作成して行った場合に算定する。
② I011精神科退院指導料を算定し
退院予定の入院中の患者に対して精神科デイ・ケアを行った場合は、所定点数の100分の50に相当する点数を算定する。ただし、入院中1回までとする。 



(2) 精神科デイ・ナイト・ケアの要件を見直し、患者の状態像に応じた疾患別等プログラムを実施した場合の評価を新設する。

現行 改定 
【精神科デイ・ナイト・ケア】(1日につき) 1,040点 
【精神科デイ・ナイト・ケア】(1日につき) 1,000点(改)
疾患別等診療計画加算 40点(新)

[算定要件]
疾患別等診療計画加算
精神科デイ・ナイト・ケアを実施する際に疾患ごとの診療計画を作成している場合に算定する。
 


3.通院・在宅精神療法の見直し


(1) 地域に移行した患者が時間外でも適切な医療が受けられるように、通院・在宅精神療法の要件を見直し、精神科救急医療体制の確保に協力等を行っている精神保健指定医の評価を引き上げる。

(2) 抗精神病薬を服用中の患者に対して、薬原性錐体外路症状評価尺度(DIEPSS)を用いて薬原性錐体外路症状の重症度評価を行った場合について、評価を新設する。

現行 改定 
【通院・在宅精神療法】(1日につき)
1 区分番号A000に掲げる初診料を算定する初診の日において精神保健指定医等が通院・在宅精神療法を行った場合 500点

2 1以外の場合
 イ 30分以上の場合 400点
 ロ 30分未満の場合 330点 
【通院・在宅精神療法】(1日につき)
1 区分番号A000に掲げる初診料を算定する初診の日において精神科救急医療体制の確保に協力等を行っている精神保健指定医等が通院・在宅精神療法を行った場合 700点(改)
2 1以外の場合
 イ 30分以上の場合 400点
 ロ 30分未満の場合 330点

2のイについて、抗精神病薬を服用している患者について、薬原性錐体外路症状評価尺度(DIEPSS)を用いて薬原性錐体外路症状の重症度評価を行った場合は、月1回に限り所定点数に25点を加算する。
 


(3) 児童青年の精神科通院治療において、16歳未満では初診日からの平均通院期間が2年以上であることを踏まえ、通院在宅精神療法の20歳未満加算の要件の見直しを行う。

現行 改定 
【通院・在宅精神療法】注3(1日につき)
20歳未満加算 200点

[算定要件]
20歳未満の患者に対して通院・在宅精神療法を行った場合、初診の日から起算して1年以内の期間に行った場合に限り算定する。

【通院・在宅精神療法】注3(1日につき)
20歳未満加算 200点

[算定要件]
20歳未満の患者に対して通院・在宅精神療法を行った場合、初診の日から起算して1年以内の期間に行った場合に限り算定する。ただし、児童・思春期精神科入院医療管理料を届出ている医療機関において、16歳未満の患者に対して行った場合は2年以内に限り算定する。



4.認知療法・認知行動療法の見直し

認知療法・認知行動療法について、精神科救急医療体制の確保に協力等を行っている精神保健指定医が実施した場合とそれ以外の医師が実施した場合の評価を明確化するとともに、普及状況の把握等の観点から、届出を要することとする。

現行 改定 
【認知療法・認知行動療法】(1日につき)
420点

[算定要件]






① 精神科を標榜する保険医療機関以外の保険医療機関においても算定できるものとする。
② 認知療法・認知行動療法に習熟した医師が行った場合に算定する。
 
【認知療法・認知行動療法】(1日につき)
1 認知療法・認知行動療法1 500点(新)
2 認知療法・認知行動療法2 420点(改)

[算定要件]
1 認知療法・認知行動療法1
① 精神科を標榜する保険医療機関であること。
② 精神科救急医療体制の確保に協力等を行っている精神保健指定医が行った場合に算定する。
2 認知療法・認知行動療法2
① 精神科を標榜する保険医療機関以外の保険医療機関においても算定できるものとする。
② 認知療法・認知行動療法に習熟した医師が行った場合に算定する。 



5.向精神薬の多量・多剤投与の適正化


(1) 向精神薬は多量に使用しても治療効果を高めないばかりか、副作用のリスクを高めることが知られており、精神科継続外来支援・指導料について、抗不安薬又は睡眠薬の処方薬剤数が2剤以下の場合と、3剤以上の場合で分けて評価を行う。

(2) 抗精神病薬を服用中の患者に対して、薬原性錐体外路症状評価尺度(DIEPSS)を用いて薬原性錐体外路症状の重症度評価を行った場合について、評価を新設する。

現行 改定 
【精神科継続外来支援・指導料】(1日につき) 55点
① 入院中の患者以外の患者について、精神科を担当する医師が、患者又はその家族等に対して、病状、服薬状況及び副作用の有無等の確認を主とした支援を行った場合に、患者1人につき1日に1回に限り算定する。


② 医師による支援と併せて、精神科を担当する医師の指示の下、保健師、看護師、作業療法士又は精神保健福祉士が、患者又はその家族等に対して、療養生活環境を整備するための支援を行った場合は、所定点数に40点を加算する。



③ 他の精神科専門療法と同一日に行う精神科継続外来支援・指導に係る費用は、他の精神科専門療法の所定点数に含まれるものとする。 

【精神科継続外来支援・指導料】 (1日につき) 55点
① 入院中の患者以外の患者について、精神科を担当する医師が、患者又はその家族等に対して、病状、服薬状況及び副作用の有無等の確認を主とした支援を行った場合に、患者1人につき1日に1回に限り算定する。
② 当該患者に投与している抗不安薬又は睡眠薬が3剤以上の場合は、所定点数の100分の80に相当する点数を算定する。
③ 医師による支援と併せて、精神科を担当する医師の指示の下、保健師、看護師、作業療法士又は精神保健福祉士が、患者又はその家族等に対して、療養生活環境を整備するための支援を行った場合は、所定点数に40点を加算する。
④ 抗精神病薬を服用中している患者について、薬原性錐体外路症状評価尺度(DIEPSS)を用いて薬原性錐体外路症状の重症度評価を行った場合は、月1回に限り所定点数に25点を加算する。
⑤ 他の精神科専門療法と同一日に行う精神科継続外来支援・指導に係る費用は、他の精神科専門療法の所定点数に含まれるものとする。 



6.治療抵抗性の統合失調症治療の評価

治療抵抗性の統合失調症患者に対し、重篤な副作用が発現するリスクの高い治療抵抗性統合失調症治療薬が使用されている場合に、医学管理を行うことについての評価を新設するため、持続性抗精神病注射薬剤治療指導管理料の名称と要件を見直す。

現行 改定 
【持続性抗精神病注射薬剤治療指導管理料】(1月につき) 250点



[算定要件]

持続性抗精神病注射薬剤を投与している入院中の患者以外の統合失調症患者に対して、計画的な医学管理を継続して行い、かつ、療養上必要な指導を行った場合に、月1回に限り、当該薬剤を投与したときに算定する。
 
【抗精神病特定薬剤治療指導管理料】(1月につき)
1 持続性抗精神病注射薬剤治療指導管理料 250点
2 治療抵抗性統合失調症治療指導管理料 500点(新)

[算定要件]
1 持続性抗精神病注射薬剤治療指導管理料
持続性抗精神病注射薬剤を投与している入院中の患者以外の統合失調症患者に対して、計画的な医学管理を継続して行い、かつ、療養上必要な指導を行った場合に、月1回に限り、当該薬剤を投与したときに算定する。
2 治療抵抗性統合失調症治療指導管理料
届出を行った医療機関において、治療抵抗性統合失調症治療薬を投与している治療抵抗性統合失調症患者に対して、計画的な医学管理を継続して行い、かつ、当該薬剤の効果及び副作用等について患者に説明し、療養上必要な指導を行った場合に、月1回に限り、当該薬剤を投与したときに算定する。

[対象薬剤]
2 治療抵抗性統合失調症治療指導管理料
クロザピン

[施設基準]
2 治療抵抗性統合失調症治療指導管理料
① 当該保険医療機関において、統合失調症の治療、診断を行うにつき十分な経験を有する常勤医師と常勤薬剤師が配置されている。
② 副作用に対応できる体制が整備されていること。



7.精神科リエゾンチーム加算を新設する。

重点課題1-4」を参照のこと。