4 DPC/PDPS(急性期入院医療の診断群分類に基づく定額報酬算定制度)の見直し


キーワード|基礎係数|機能評価係数Ⅰ|機能評価係数Ⅱ

平成24年度診療報酬改定の改定項目

DPC/PDPS(急性期入院医療の診断群分類に基づく定額報酬算定制度)の見直し 骨子【Ⅲ-1-(6)】

第1 基本的な考え方
1.今回の診療報酬改定における入院基本料等の見直し等については、従前からの診療報酬改定における取扱いを踏まえながら、DPC/PDPSにおいても、診断群分類点数表の改定及び医療機関別係数の設定等、所要の措置を講ずる。
2.DPC/PDPSの円滑導入のために設定された調整係数については、今後段階的に基礎係数(包括範囲・平均出来高点数に相当)と機能評価係数Ⅱに置換えることとし、平成24年度改定において必要な措置を講じる。なお、基礎係数については、機能や役割に応じた医療機関群別に設定する。
3.機能評価係数Ⅰについては、出来高評価体系における「当該医療機関の入院患者全員に対して算定される加算」や「入院基本料の補正値」等を機能評価係数Ⅰとして評価する。
4.機能評価係数Ⅱについては、現行の6項目を基本として必要な見直しを行う。また、その際、項目に応じて各医療機関群の特性を踏まえた評価手法を導入する。
5.特定入院料の取扱い(評価のあり方)、在院時期に応じた適切な薬剤料等包括評価のあり方、高額薬剤等に係る対応等、現行DPC/PDPSの算定ルール等に係る課題について必要な見直しを行う。
6.急性期入院医療を担う医療機関の機能や役割を適切に分析・評価するため、DPC対象病院の外来診療に係るデータの提出を求める。

第2 具体的な内容

1.入院基本料等の見直し等の反映


(1) 急性期入院医療の評価の見直しに伴う入院基本料等の見直しについては、診断群分類点数表の設定(改定)において実態に即して反映させる。

(2) 診療報酬改定後の包括範囲に係る報酬水準(但し、機能評価係数Ⅰに係るものを除く)については、診療報酬改定前の当該水準に改定率を乗じたものとし、医療機関別係数の計算において反映させる。


2.調整係数の見直しに係る対応と経過措置


(1) 基礎係数の導入と医療機関群の設定
① 制度創設時に導入した調整係数により設定される包括報酬部分(改定率の反映を含む)は、今後、段階的に基礎係数(直近の包括範囲出来高点数の平均に相当する部分)と機能評価係数Ⅱにより設定される包括報酬(それぞれ改定率を反映)に置換える。
② 基礎係数の設定は、役割や機能に着目した医療機関の群別に設定する。設定する医療機関群は「DPC病院Ⅰ群」、「DPC病院Ⅱ群」と「DPC病院Ⅲ群」の3群とする。
③ 「DPC病院Ⅱ群」は、一定以上の「診療密度」、「医師研修の実施」、「高度な医療技術の実施」、「重症患者に対する診療の実施」の4つの実績要件を満たす病院とする(ただし、「医師研修の実施」について、特定機能病院は、満たしたものとして取扱い、宮城、福島及び茨城の三県については、平成22年度の採用実績も考慮し判定)。
なお、各要件の基準値(カットオフ値)は、DPC病院Ⅰ群の実績値に基づき設定する。

(2) 調整係数見直しに係る経過措置
① 円滑な現場対応を確保する観点から、平成22年度改定での機能評価係数Ⅱ導入と、その後に合意された基礎係数を含む医療機関別係数の最終的な設定方式を踏まえ、今後、改めて段階的・計画的な移行措置を実施することとし、平成24年度改定においては、調整部分の25%を改めて機能評価係数Ⅱに置換え、残りの調整部分を「暫定調整係数」として設定する。
〔医療機関Aの暫定調整係数〕=
〔医療機関Aの属する医療機関群の基礎係数〕×0.25
+〔医療機関Aの調整係数(※)〕×0.75
※ 「調整係数」は制度創設時(平成15年)の定義に基づく
② 制度全体の移行措置に伴う個別の医療機関別係数の変動についても、激変緩和の観点から一定の範囲内(医療機関係数別係数の変動の影響による推計診療報酬変動率(出来高部分も含む)に基づき、〇%を超えて変動しない範囲)となるよう暫定調整係数を調整する措置も併せて講ずる。


3.機能評価係数Ⅰの見直し


(1) 当該医療機関の入院患者全員に対して算定される加算や入院基本料の補正値等を機能評価係数Ⅰとして係数設定する。

(2) 従前の機能評価係数Ⅰに加えて、「地域加算」「離島加算」(現行出来高評価)を機能評価係数Ⅰとして係数評価する。

(3) 出来高報酬体系のデータ提出加算の新設に伴い、データ提出係数のうちデータ提出に係る評価部分を機能評価係数Ⅰとして整理する。

(4) その他の入院基本料等加算の見直し等について、必要に応じて機能評価係数Ⅰに反映させる。


4.機能評価係数Ⅱの見直し


(1) 機能評価係数Ⅱの各係数への報酬配分(重み付け)は等分とする。

(2) 現行の評価項目(6指数)のうち、地域医療指数、救急医療係数、データ提出指数について必要な見直しを行う。また、複雑性指数、カバー率指数、地域医療指数については、各医療機関群の特性に応じた評価手法を導入する。

(3) 機能評価係数Ⅱの各指数から各係数への変換に際しては、各指数の特性や分布状況を踏まえ、適切な評価定義域の下限値・上限値及び評価値域の最小値を設定する。(詳細別表3)

(4) 被災三県における診療実績に基づく指数(効率化指数、複雑性指数、カバー率指数、救急医療指数)は、震災前のみの実績も考慮し設定する。


5.算定ルールの見直し


(1) 特定入院期間と薬剤等包括項目の算定ルール
化学療法を特定入院期間内に実施していないにも係らず、「化学療法あり」等の診断群分類により算定する場合は、当該化学療法薬は別途算定できないこととする。

(2) 診断群分類点数表の点数設定方法
特定の診断群分類について、在院日数遷延を防止する観点から、入院基本料を除く薬剤費等包括範囲の点数を入院期間Ⅰの点数に組込む設定を試行的に導入する。また、これらに合せて、DPC/PDPS対象施設数の増加や調査の通年化によるデータ数の大幅な増加と、今後の調整係数廃止に伴うより精緻な報酬設定等に対応するための定額報酬計算方式の整理と必要な見直しを行う。

(3) その他
診断群分類点数表の適用患者の明確化と高額な新規検査等への対応を実施する。


6.外来診療に係るデータの提出

外来診療における出来高点数情報を新たな調査項目として加える。
DPC病院Ⅰ群とDPC病院Ⅱ群の施設については提出を必須とし、DPC病院Ⅲ群の施設については、任意提出とする。なお、これらの対応と、データ提出加算の新設と合わせて、係数の取扱いについて整理する。
Ⅲ-1-⑦」を参照のこと。