1 生活の質に配慮した歯科医療の充実


平成24年度診療報酬改定の改定項目

生活の質に配慮した歯科医療

第1 基本的な考え方
1.「障害者加算」の対象者に、日常生活に支障を来たすような症状・行動や意志疎通の困難さが頻繁に見られ、著しく歯科診療が困難な状態を明示し、歯科診療報酬上における「障害者加算」は、本加算の要件を維持しつつ、主旨をより適切に反映する観点から「歯科診療特別対応加算(仮称)」に改める。
また、著しく歯科診療が困難な者に対する歯科医療の充実を図る観点から、著しく歯科診療が困難な患者の状態に応じて、身近な歯科医療機関でも円滑に歯科治療が受けられるよう、専門性の高い歯科医療機関から患者を紹介した場合及び一般の歯科医療機関が患者を受け入れた場合の評価を行う。
2.例えば、糖尿病患者は歯周病が悪化しやすい傾向があることを踏まえ、歯周病の悪化・重症化リスクが極めて高い患者等に対する歯周病安定期治療の間隔を、歯周外科手術を実施した場合に合わせて短縮するとともに、歯周治療を評価するとともに、歯の保存に資する歯内療法についても併せて評価する。

第2 具体的な内容

1.障害者加算の名称の見直し及び対象者の明確化

障害者加算を歯科診療特別対応加算に改め、対象者の明確化を図る。

現行 改定 
【障害者加算(初診料・再診料の加算)】
・著しく歯科診療が困難な障害者に対して初診を行った場合は、175点(当該患者が歯科治療環境に円滑に適応できるような技法を用いた場合は、250点)を所定点数に加算する。

[算定要件]
・「著しく歯科診療が困難な障害者」とは、脳性麻痺等で身体の不随運動や緊張が強く体幹の安定が得られない状態、知的発達障害により開口保持ができない状態や治療の目的が理解できず治療に協力が得られない状態、重症の喘息患者で頻繁に治療の中断が必要な状態又はこれらに準ずる状態にある者をいう。なお、障害者加算を算定した日においては、患者の状態を診療録に記載し、専門的技法を用いた場合はその名称を併せて診療録に記載する。 
歯科診療特別対応加算(初診料・再診料の加算)】
著しく歯科診療が困難な者に対して初診を行った場合は、175点(当該患者が歯科治療環境に円滑に適応できるような技法を用いた場合は、250点)を所定点数に加算する。


[算定要件]
・「著しく歯科診療が困難な者」とは、脳性麻痺等で身体の不随意運動や緊張が強く体幹の安定が得られない状態、知的発達障害により開口保持ができない状態や治療の目的が理解できず治療に協力が得られない状態、重症の喘息患者で頻繁に治療の中断が必要な状態、日常生活に支障を来たすような症状・行動や意志疎通の困難さが頻繁に見られ、歯科診療に際して家族等の援助を必要とする状態又はこれらに準ずる状態にある者をいう。なお、歯科診療特別対応加算を算定した日においては、患者の状態を診療録に記載し、専門的技法を用いた場合はその名称を併せて診療録に記載する。 



2.歯科診療特別対応地域支援加算の新設


(新) 歯科診療特別対応地域支援加算(初診料の加算、初診時1回) 100点

著しく歯科診療が困難な患者について、専門性の高い歯科医療機関からの紹介に基づき、歯科医療機関で受け入れ外来で診療を行った場合の評価を新設する。

[算定要件]
歯科診療を実施している保険医療機関(診療所であって、歯科診療特別対応連携加算に係る施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関は除く。)において、歯科診療特別対応連携加算に係る施設基準に適合しているものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関において、歯科診療特別対応加算を算定した患者について、当該保険医療機関から文書による診療情報提供を受けた上で、外来において初診を行った場合には、月1回に限り所定点数に加算する。


3.著しく歯科診療が困難な患者の歯科治療に係る連携の促進

著しく歯科診療が困難な患者に対する歯科医療を専門的に行う医療機関と地域の歯科診療を担う医療機関との連携促進を図る観点から、これらの医療機関に対して、基本診療料に係る歯科診療特別対応加算を算定している患者に係る情報を提供し、紹介した場合の評価を行う。

現行 改定 
【診療情報提供料Ⅰ】 250点 
【診療情報提供料Ⅰ】 250点

注 歯科診療特別対応連携加算に係る施設基準又は地域歯科診療支援病院歯科初診料に係る施設基準に適合するものとして地方厚生局長等に届け出た保険医療機関が、歯科診療特別対応加算を算定している患者について、当該患者又はその家族の同意を得て、歯科診療を行う保険医療機関に対して、診療状況を示す文書を添えて患者の紹介を行った場合は、所定点数に100点を加算する。 



4.歯の保存に資する技術の評価

一連の歯周病治療終了後、一時的に病状が安定した状態にある患者に対し、歯周組織の状態を維持するために行われる継続的な歯周病安定期治療について、歯周病に対するリスクが高い者に関しては治療間隔期間の短縮を図る等、歯周治療を評価するとともに、歯の保存に資する歯内療法についても併せて評価する。

(1) 歯周病に関する技術の評価の見直し

現行  改定
【歯周病安定期治療(1口腔につき)】 300点

注 2回目以降の歯周病安定期治療の算定は、前回実施月の翌月の初日から起算して2月を経過した日以降に行う。ただし、一連の歯周病治療において歯周外科手術を実施した場合は、この限りでない。 
【歯周病安定期治療(1口腔につき)】 300点

注 2回目以降の歯周病安定期治療の算定は、前回実施月の翌月の初日から起算して2月を経過した日以降に行う。ただし、一連の歯周病治療において歯周外科手術を実施した場合等の歯周病安定期治療の治療間隔の短縮が必要とされる場合においてはこの限りでない。

[算定要件]
・2回目以降の歯周病安定期治療の算定については、前回実施した月の翌月の初日から起算して2月を経過した日以降に行うこと。ただし、歯周病安定期治療の治療間隔の短縮が必要とされる以下の場合については、3月以内の間隔で実施した歯周病安定期治療の費用は月1回に限り算定できる。なお、この場合、実施する理由(イ 歯周外科手術を実施した場合は除く。)、全身状態等を診療録に記載すること。また、ロ又はハに関しては主治の医師からの文書を添付すること。
イ 歯周外科手術を実施した場合
ロ 全身疾患の状態により歯周病の病状に大きく影響を与える場合
ハ 全身疾患の状態により歯周外科手術が実施できない場合
ニ 侵襲性歯周炎の場合

【歯周基本治療】
1 スケーリング
(3分の1顎につき) 64点
2 スケーリング・ルートプレーニグ(1歯につき)
イ 前歯 58点
ロ 小臼歯 62点
ハ 大臼歯 68点
3 歯周ポケット掻爬(盲?掻爬)(1歯につき)
イ 前歯 58点
ロ 小臼歯 62点
ハ 大臼歯 68点 
【歯周基本治療】
1 スケーリング
(3分の1顎につき) 66点(改)
2 スケーリング・ルートプレーニグ(1歯につき)
イ 前歯 60点(改)
ロ 小臼歯 64点(改)
ハ 大臼歯 72点(改)
3 歯周ポケット掻爬(1歯につき)
イ 前歯 60点(改)
ロ 小臼歯 64点(改)
ハ 大臼歯 72点(改) 

【歯周外科手術】(1歯につき)
(例)
4 歯肉剥離掻爬手術 600点
5 歯周組織再生誘導手術
1次手術 730点
2次手術 300点
[算定要件]
・手術時歯根面レーザー応用加算 40点 
【歯周外科手術】(1歯につき)
(例)
4 歯肉剥離掻爬手術 620点(改)
5 歯周組織再生誘導手術
1次手術 760点(改)
2次手術 320点(改)
[算定要件]
・手術時歯根面レーザー応用加算 60点(改) 

 
【歯周病部分的再評価検査】 15点(新)
(1歯につき)
注 歯周外科手術を行った部位に対して、歯周病の治癒の状態を評価することを目的として実施した場合に、手術後に1回に限り算定する。



(2) 歯内療法に関する技術の評価の見直し

現行 改定 
【歯髄保護処置】(1歯につき)
3 間接歯髄保護処置 25点 
【歯髄保護処置】(1歯につき)
3 間接歯髄保護処置 30点(改) 

【抜髄】(1歯につき)
(例)
1 単根管 220点 
【抜髄】(1歯につき)
(例)
1 単根管 228点(改) 

【感染根管処置】(1歯につき)
(例)
1 単根管 130点 
【感染根管処置】(1歯につき)
(例)
1 単根管 144点(改) 

【根管貼薬処置】(1歯1回につき)
(例)
1 単根管 20点 
【根管貼薬処置】(1歯1回につき)
(例)
1 単根管 26点(改) 

【根管充填】(1歯につき)
注1 加圧根管充填を行った場合は、単根管、2根管又は3根管以上の所定点数に、118点、140点又は164点をそれぞれ加算する。 
【根管充填】(1歯につき)
注1 加圧根管充填を行った場合は、単根管、2根管又は3根管以上の所定点数に、128点、152点又は184点をそれぞれ加算する。