[通知]第2 病院の入院基本料等に関する施設基準

第2 病院の入院基本料等に関する施設基準
病院である保険医療機関の入院基本料等に関する施設基準は、「基本診療料の施設基準等」の他、下記のとおりとする。

1 病棟の概念

1 病棟の概念は、病院である保険医療機関の各病棟における看護体制の1単位をもって病棟として取り扱うものとする。なお、高層建築等の場合であって、複数階(原則として二つの階)を1病棟として認めることは差し支えないが、三つ以上の階を1病棟とすることは、2の(3)の要件を満たしている場合に限り、特例として認められるものであること。また、感染症病床が別棟にある場合は、隣接して看護を円滑に実施できる一般病棟に含めて1病棟とすることができる。平均入院患者数が概ね30名程度以下の小規模な結核病棟を有する保険医療機関については、一般病棟(一般病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)、専門病院入院基本料又は障害者施設等入院基本料を算定する病棟)と結核病棟を併せて1看護単位とすることはできるが、看護配置基準が同じ入院基本料を算定する場合に限る。ただし、結核病床を構造上区分すること等医療法で規定する構造設備の基準は遵守するものとし、平均在院日数の計算に当たっては、一般病棟のみにより計算するものとし、一般病棟が急性期一般入院基本料、7対1入院基本料又は10対1入院基本料の届出を行う病棟である場合及び結核病棟が7対1入院基本料又は10対1入院基本料の届出を行う病棟である場合には、原則として一般病棟及び結核病棟で別々に重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡの評価を行うものとするが、7対1入院基本料の結核病棟のみで重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡの基準を満たせない場合に限り、両病棟全体で重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡの評価を行い、重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡの基準を満たすことで差し支えないものとする。

2 1病棟当たりの病床数に係る取扱い

2 1病棟当たりの病床数に係る取扱いについては、次のとおりとする。
(1) 1病棟当たりの病床数については、①効率的な看護管理、②夜間における適正な看護の確保、③当該病棟に係る建物等の構造の観点から、総合的に判断した上で決定されるものであり、原則として60床以下を標準とする。ただし、精神病棟については、70床まではやむを得ないものとする。
(2) (1)の病床数の標準を上回っている場合については、①2以上の病棟に分割した場合には、片方について1病棟として成り立たない、②建物構造上の事情で標準を満たすことが困難である、③近く建物の改築がなされることが確実である等、やむを得ない理由がある場合に限り、認められるものであること。
(3) 複数階で1病棟を構成する場合又は別棟にある感染症病床を含めて1病棟を構成する場合についても上記(1)及び(2)と同様であるが、いわゆるサブナース・ステーションの設置や看護要員の配置を工夫すること。

3 平均在院日数

3 平均在院日数については次の点に留意すること。
(1) 平均在院日数を算出するに当たり対象となる入院患者は、保険診療に係る入院患者(「基本診療料の施設基準等」の別表第二に規定する入院患者を除く。)であること。
(2) 平均在院日数については、直近3か月間の数値を用いて別添6の別紙4により計算すること。なお、平均在院日数は小数点以下は切り上げること。また、短期滞在手術等基本料3を算定した患者であって6日以降も入院する場合は、入院日から起算した日数を含めて平均在院日数を計算すること。

4 入院患者の数及び看護要員の数等

4 入院患者の数及び看護要員の数等については下記のとおりとする。
(1) 入院患者の数については、次の点に留意する。
ア 入院患者の数は、当該日の24時現在当該病棟に入院中の患者をいい、当該病棟に入院してその日のうちに退院又は死亡した者を含むものである。また、保険診療に係る入院患者のほか、正常の妊産婦、生母の入院に伴って入院した健康な新生児又は乳児、人間ドックなどの保険外診療の患者であって、看護要員を保険診療を担当する者と保険外診療を担当する者とに明確に区分できない場合の患者を含むものであること。なお、救急患者として受け入れ、処置室、手術室等において死亡した患者について入院料を算定する場合であっても、当該患者については、入院患者の数に計上しない。
イ 入院患者の数については、届出時の直近1年間(届出前1年から6か月の間に開設又は増床を行った保険医療機関にあっては、直近6か月間とする。)の延入院患者数を延日数で除して得た数とし、小数点以下は切り上げる。なお、届出前6か月の間に開設又は増床した病棟を有する保険医療機関に係る入院患者の数の取扱いについては、便宜上、開設又は増床した病床数に対し、一般病棟にあっては一般病棟の病床数の80%、療養病棟にあっては療養病棟の病床数の90%、結核病棟にあっては結核病棟の病床数の80%、精神病棟にあっては精神病棟の病床数の100%を、実績の値に加えた数とする。また、一般病棟に感染症病床がある場合は、届出時の直近1年間の入院患者数が0であっても、感染症病床数の5%をもって感染症病床に係る入院患者の数とすることができる。
ウ 届出前1年の間に減床を行った保険医療機関については、減床後の実績が3か月以上ある場合は、減床後の延入院患者数を延日数で除して得た数とする。なお、減床後から3か月未満の期間においては、減床後の入院患者数の見込みをもって届出を行うことができるものとするが、当該入院患者数が、減床後3か月の時点での減床後の延入院患者数を延日数で除して得た数を満たしていないことが判明したときは、当該届出は遡って無効となり、変更の届出を行わせること。
エ 病棟単位で算定する特定入院料(区分番号「A317」に掲げる特定一般病棟入院料を除く。)、「基本診療料の施設基準等」の別表第三に規定する治療室、病室及び短期滞在手術等基本料1に係る回復室に入院中の患者については、入院患者の数から除く。
(2) 看護要員の数については、次の点に留意する。
ア 看護要員の数は、届出時の看護要員の数とする。
イ 当該届出病棟に配置されている看護要員の数は、1勤務帯8時間で1日3勤務帯を標準として、月平均1日当たりの要件を満たしていること。なお、出産、育児又は家族介護に関する休業等が確保されるよう配慮を行うこと。
ウ 看護要員の数は、病棟において実際に入院患者の看護に当たっている看護要員の数であり、その算定に当たっては、看護部長等(専ら、病院全体の看護管理に従事する者をいう。)、当該保険医療機関附属の看護師養成所等の専任教員、外来勤務、手術室勤務又は中央材料室勤務等の看護要員の数は算入しない。
エ 病棟勤務と外来勤務、手術室勤務、中央材料室勤務又は集中治療室勤務等を兼務する場合は、勤務実績表による病棟勤務の時間を看護要員の数に算入する。
オ 臨時職員であっても継続して勤務に服する者は、給与の支払方式が日給制であるか否かにかかわらず、看護要員の数に算入することができる。ただし、継続勤務については、特に被保険者証等により確認する必要はなく、実態に応じて判断すること。なお、職業安定法(昭和22年法律第141号)の規定に基づき、職業紹介事業を行う者からの紹介又は労働者供給事業を行う者からの供給により看護要員を雇用した場合、労働者派遣事業の適切な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和60年法律第88号)に基づき、紹介予定派遣として派遣された場合及び産前産後休業、育児休業、育児休業に準ずる休業又は介護休業中の看護職員の勤務を派遣労働者が代替する場合は、雇用期間にかかわらず看護要員の数に算入することができる。また、看護補助者の雇用形態は問わない(派遣職員を含むが、指揮命令権が当該保険医療機関にない請負方式等を除く。)。
カ 病棟単位で算定する特定入院料(区分番号「A317」に掲げる特定一般病棟入院料を除く。)に係る病棟並びに「基本診療料の施設基準等」の別表第三に規定する治療室、病室、短期滞在手術等基本料1に係る回復室及び外来化学療法に係る専用施設に勤務する看護要員の数は、兼務者を除き算入できない。
キ 看護補助者の数については、次の点に留意する。
(イ) 看護補助者の数を算出するに当たっては、看護職員を看護補助者とみなして差し支えない。なお、入院基本料等の施設基準に定める必要な数を超えて配置している看護職員を看護補助者とみなす(以下「みなし看護補助者」という。)場合には、看護職員の勤務実績に基づいて、実際に勤務した看護職員の総勤務時間数から、当該届出区分において勤務することが必要となる看護職員数の総勤務時間数を差し引いた数を、看護補助者の勤務時間数として算入する。
(ロ) 小児病棟又は特殊疾患入院施設管理加算を算定している病棟等において小児患者の保育に当たっている保育士は、看護補助者の数に算入することができる。ただし、小児入院医療管理料の加算の届出に係る保育士については、看護補助者として算入することはできない。
(ハ) 主として事務的業務を行う看護補助者を配置する場合は、常時、当該病棟の入院患者の数が200又はその端数を増すごとに1以下であること。主として事務的業務を行う看護補助者の数の算出に当たっては、当該保険医療機関の院内規程において、看護補助者が行う事務的業務の内容を定めた上で、1人の看護補助者の延べ勤務時間数のうち事務的業務が5割以上を占める看護補助者を、「主として事務的業務を行う看護補助者」として算入すること。また、主として事務的業務を行う看護補助者については、当該病棟において事務的業務以外の業務を行った時間数も含めて、当該看護補助者の勤務時間数を算入すること。
ク 1か月以上長期欠勤の看護要員、身体障害者(児)に対する機能訓練指導員及び主として洗濯、掃除等の業務を行う者は看護要員に算入しない。
(3) 夜間における勤務(以下「夜勤」という。)については、次の点について留意する。
ア 「夜勤」とは、各保険医療機関が定める午後10時から翌日の午前5時までの時間を含めた連続する16時間(以下「夜勤時間帯」という。)の間において、現に勤務することをいい、当該夜勤時間帯に現に勤務した時間数を「夜勤時間数」という。なお、各保険医療機関において、当該夜勤時間帯を定める場合には、夜勤時間帯以外の時間帯(以下「日勤帯」という。)が、夜勤時間帯と重なる時間が、当該日勤帯の2分の1以下とすること。
イ 看護要員の名簿及び勤務実績表により、各病棟(精神病棟入院基本料の特別入院基本料等以外の特別入院基本料等を算定する病棟を除く。)ごとに次の要件が満たされていること。
(イ) 看護要員は、常時2人以上であること。
(ロ) 一般病棟、結核病棟及び精神病棟においては、看護職員を2人以上配置していること(精神病棟入院基本料の特別入院基本料等を除く。)。
(ハ) 療養病棟においては、看護職員1人と看護補助者1人の計2人以上の配置であっても差し支えない。
(ニ) (イ)から(ハ)までの要件を満たしている場合は、曜日や時間帯によって、夜勤の従事者が変動することは差し支えない。
ウ 特定入院料(地域包括ケア入院医療管理料を除く。また、小児入院医療管理料4、特殊疾患入院医療管理料又は児童・思春期精神科入院医療管理料については、病棟単位で算定する場合に限る。)を算定している病棟に係る看護要員は、夜勤時間数の計算対象としないこと。
エ 夜勤に従事する看護要員の月当たり延べ夜勤時間数は、1か月又は4週間の当該夜勤時間帯に従事した時間数をいう。
オ 月平均夜勤時間数は、同一の入院基本料を算定する病棟全体(同一の入院基本料を算定する複数の病棟(看護単位)を持つ病院にあっては、当該複数の病棟を合わせた全体)で届出前1か月又は4週間の夜勤時間帯に従事する看護職員の延夜勤時間数を夜勤時間帯に従事した実人員数で除して得た数とし、当該月当たりの平均夜勤時間数の直近1か月又は直近4週間の実績の平均値により、72時間以下であること。すなわち、月平均夜勤時間数は、同一の入院基本料を算定する病棟全体で計算するものであり、病棟(看護単位)ごとに計算するものではないため、病棟(看護単位)ごとに月平均夜勤時間数が72時間以下である必要はないものであること。また、新規届出直後においては、当該病棟の直近3か月間又は12週間の実績の平均値が要件を満たしていれば差し支えない。
なお、療養病棟入院基本料を算定する病棟の看護職員については、この限りではないこと。
カ 月平均夜勤時間数の計算に含まれる実人員数及び延べ夜勤時間数については、次の点に留意する。
(イ) 専ら夜勤時間帯に従事する者(以下「夜勤専従者」という。)は、実人員数及び延べ夜勤時間数に含まないこと。
(ロ) 夜勤時間帯に看護職員が病棟勤務と外来勤務等を兼務する場合は、当該看護職員が夜勤時間帯に当該病棟で勤務した月当たりの延べ時間を、当該看護職員の月当たりの延べ夜勤時間(病棟と病棟以外の勤務の時間を含む。)で除して得た数を、夜勤時間帯に従事した実人員数として算入すること。
(ハ) 急性期一般入院基本料、7対1入院基本料及び10対1入院基本料の病棟の実人員数及び延べ夜勤時間数には、月当たりの夜勤時間数が16時間未満の者は含まないこと。ただし、短時間正職員制度を導入している保険医療機関の短時間正職員については、月当たりの夜勤時間数が12時間以上のものを含む。
(ニ) 急性期一般入院基本料、7対1入院基本料及び10対1入院基本料以外の病棟の実人員数及び延べ夜勤時間数には、月当たりの夜勤時間数が8時間未満の者は含まないこと。
(ホ) 夜勤時間帯の中で申し送りに要した時間は、申し送った看護職員の夜勤時間から除いて差し支えない。ただし、当該申し送りに要した時間の除外の有無については、原則として、同一の入院基本料を算定する病棟全体において、月単位で選択すること。
キ 週当たりの所定労働時間は、40時間以内であること。
ク 夜勤専従者の夜勤時間については、夜勤による勤務負担が過重とならないよう十分配慮すること。
ケ 上記(2)のアからクまで及び(3)のアからクまでに係る看護要員の配置数、人員構成及び夜間勤務に係る具体的な算出方法等については、別添6の別紙5の例を参考とすること。
(4) 看護の勤務体制は、次の点に留意する。
ア 看護要員の勤務形態は、保険医療機関の実情に応じて病棟ごとに交代制の勤務形態をとること。
イ 同一の入院基本料を算定する病棟全体で1日当たり勤務する看護要員の数が所定の要件を満たす場合は、24時間一定の範囲で傾斜配置することができる。すなわち、1日当たり勤務する看護要員の数の要件は、同一の入院基本料を算定する病棟全体で要件を満たしていればよく、病棟(看護単位)ごとに要件を満たす必要はないため、病棟(看護単位)ごとに異なる看護要員の配置を行うことができるとともに、1つの病棟の中でも24時間の範囲で各勤務帯において異なる看護要員の配置を行うことができるものであること。なお、各勤務帯に配置する看護職員の数については、各病棟における入院患者の状態(重症度、医療・看護必要度等)について評価を行い、実情に合わせた適正な配置数が確保されるよう管理すること。
ウ 特別入院基本料を算定している保険医療機関については、各病棟の看護要員数の2割を看護師とすることが望ましい。
(5) 看護要員の配置に係る情報提供は、次の点に留意する。
ア 各勤務帯のそれぞれで、1人の看護要員が、実際に受け持っている入院患者の数を各病棟内に掲示すること。また、複数の病棟間で傾斜配置をしている場合には、各病棟の看護要員の配置状況を掲示すること。
イ アの掲示については、第3「届出受理後の措置等」の7の掲示例によること。
(6) 看護の実施は、次の点に留意する。
ア 看護は、当該保険医療機関の看護要員のみによって行われるものであり、当該保険医療機関において患者の負担による付添看護が行われてはならない。ただし、患者の病状により、又は治療に対する理解が困難な小児患者又は知的障害を有する患者等の場合は、医師の許可を得て家族等患者の負担によらない者が付き添うことは差し支えない。なお、患者の負担によらない家族等による付添いであっても、それらが当該保険医療機関の看護要員による看護を代替し、又は当該保険医療機関の看護要員の看護力を補充するようなことがあってはならない。
イ ①病状の観察、②病状の報告、③身体の清拭、食事、排泄等の世話等療養上の世話、④診察の介補、⑤与薬・注射・包帯交換等の治療の介助及び処置、⑥検温、血圧測定、検査検体の採取・測定、検査の介助、⑦患者、家族に対する療養上の指導等患者の病状に直接影響のある看護は、看護師又は看護師の指示を受けた准看護師が行うものである。看護補助者は、看護師長及び看護職員の指導の下に、原則として療養生活上の世話(食事、清潔、排泄、入浴、移動等)、病室内の環境整備やベッドメーキングのほか、病棟内において、看護用品及び消耗品の整理整頓、看護職員が行う書類・伝票の整理及び作成の代行、診療録の準備等の業務を行うこととする。なお、看護補助者の業務範囲について、「医師及び医療関係職と事務職員等との間等での役割分担の推進について」(平成19年12月28日医政発第1228001号)にある、「2 役割分担の具体例 (1)医師、看護師等の医療関係職と事務職員等との役割分担」に基づく院内規程を定めており、個別の業務内容を文書で整備していること。
ウ 個々の患者の病状にあった適切な看護が実施されていること。また、効果的な医療が提供できるよう患者ごとに看護計画が立てられ、その計画に沿って看護が実施されるよう配慮すること。
エ 看護に関する記録としては、看護体制の1単位ごとに別添6の別紙6に掲げる記録がなされている必要がある。なお、これらの記録の様式・名称等は各病院が適当とする方法で差し支えないが、記録の作成に際しては、重複を避け簡潔明瞭を旨とすること。
オ 当該届出に係る各病棟の看護単位ごとに看護の責任者が配置され、看護チームによる交代制勤務等の看護が実施され、ナース・ステーション等の設備を有し、看護に必要な器具器械が備え付けられていること。

4の2 急性期一般入院基本料、7対1入院基本料、10対1入院基本料及び地域一般入院基本料に係る重症度、医療・看護必要度

4の2 急性期一般入院基本料、7対1入院基本料、10対1入院基本料及び地域一般入院基本料(地域一般入院料1に限る。)に係る重症度、医療・看護必要度については、次の点に留意する。
(1) 急性期一般入院基本料、7対1入院基本料(結核病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料(精神病棟を除く。)及び専門病院入院基本料)、10対1入院基本料(特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)、専門病院入院基本料)及び地域一般入院料1を算定する病棟は、当該入院基本料を算定するものとして届け出た病床に入院している全ての患者の状態を別添6の別紙7の重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡに係る評価票を用いて測定を行い、その結果に基づいて評価を行っていること。なお、許可病床数200床以上の保険医療機関であって急性期一般入院料1を算定する病棟、許可病床数400床以上の保険医療機関であって急性期一般入院基本料(急性期一般入院料2から5までに限る。)を算定する病棟及び7対1入院基本料(特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。))を算定する病棟については、
一般病棟用の重症度、医療・看護必要度Ⅱを用いて評価を行うこと。
(2) 急性期一般入院基本料(急性期一般入院料6を除く。)及び7対1入院基本料(結核病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)及び専門病院入院基本料)については、測定の結果、当該入院基本料を算定するものとして届け出た病床に、直近3月において入院している患者全体(延べ患者数)に占める重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡの基準を満たす患者(別添6の別紙7による評価の結果、別表1のいずれかに該当する患者(以下「基準を満たす患者」という。)をいう。)の割合が、別表2の基準以上であること。また、急性期一般入院料6、7対1入院基本料(特定機能病院入院基本料(結核病棟入院基本料に限る。))、10対1入院基本料(特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)、専門病院入院基本料)及び地域一般入院料1については、別添6の別紙7により、直近3月において入院している全ての患者の状態を継続的に測定し、その結果に基づいて評価を行っていること。ただし、許可病床数200床未満の保険医療機関であって、急性期一般入院料1、2、3又は4の届出を行っている病棟にあっては、本文の規定にかかわらず、それぞれ別表3の基準以上であること。
別表1
A得点が2点以上かつB得点が3点以上の患者
A得点が3点以上の患者
C得点が1点以上の患者
別表2
一般病棟用の重症度、医療・看護必要度Ⅰの割合
一般病棟用の重症度、医療・看護必要度Ⅱの割合
急性期一般入院料1 2割8分
急性期一般入院料2 2割7分 2割4分
急性期一般入院料3 2割4分 2割1分
急性期一般入院料4 2割 1割7分
急性期一般入院料5 1割7分 1割4分
7対1入院基本料(特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。))
2割8分
7対1入院基本料(専門病院入院基本料)
3割 2割8分
7対1入院基本料(結核病棟入院基本料)
1割 0.8割
別表3
一般病棟用の重症度、医
療・看護必要度Ⅰの割合
一般病棟用の重症度、医療
・看護必要度Ⅱの割合
急性期一般入院料1 2割8分 2割5分
急性期一般入院料2 2割5分 2割2分
急性期一般入院料3 2割2分 1割9分
急性期一般入院料4 1割8分 1割5分
(3) 第2の1にある小規模な結核病棟を有し、一般病棟と併せて1看護単位としている病棟において、急性期一般入院基本料、7対1入院基本料又は10対1入院基本料を算定している場合、重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡの評価は一般病棟と結核病棟とで重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡのいずれか同一の評価票を用いて別々に行い、それぞれの病棟において(2)の割合を満たすものとする。ただし、7対1入院基本料の結核病棟のみで重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡの基準を満たせない場合に限り、両病棟全体で重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡの評価を行い、一般病棟における重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡの基準を満たすことで差し支えないものとする。
(4) 評価に当たっては、産科患者、15歳未満の小児患者、短期滞在手術等基本料を算定する患者、基本診療料の施設基準等の別表第二の二十三に該当する患者(基本診療料の施設基準等第十の三に係る要件以外の短期滞在手術等基本料3に係る要件を満たす場合に限る。)及び基本診療料の施設基準等の別表第二の二十四に該当する患者は、対象から除外すること。また、重症度、医療・看護必要度Ⅱの評価に当たっては、歯科の入院患者(同一入院中に医科の診療も行う期間については除く。)は、対象から除外すること。
(5) 10対1入院基本料であっても、結核病棟入院基本料、精神病棟入院基本料、障害者施設等入院基本料、特定機能病院入院基本料(結核病棟及び精神病棟に限る。)については、評価を行っていなくても差し支えない。
(6) 重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡに係る評価票の記入は、院内研修を受けたものが行うものであること。ただし、別添6の別紙7の別表1に掲げる「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度A・C項目に係るレセプト電算処理システム用コード一覧」を用いて評価を行う項目については、当該評価者により各選択肢の判断を行う必要はない。実際に、患者の重症度、医療・看護必要度が正確に測定されているか定期的に院内で確認を行うこと。
(7) 一般病棟用の重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡのいずれを用いて評価を行うかは、入院基本料の届出時に併せて届け出ること。なお、評価方法のみの変更を行う場合については、別添7の様式10を用いて届け出ること。ただし、評価方法のみの変更による新たな評価方法への切り替えは4月又は10月(令和4年3月31日において、現に急性期一般入院料1に係る届出を行っている保険医療機関にあっては、令和4年度に限り、4月、10月又は1月)(以下「切替月」という。)のみとし、切替月の10日までに届け出ること。
(8) 毎年7月において、直近3月の評価の結果を別添7の様式10により地方厚生(支)局長に報告すること。
(9) 旧算定方法別表第一区分番号「A100」急性期一般入院基本料(急性期一般入院料7を除く。)及び7対1入院基本料(結核病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)及び専門病院入院基本料)の経過措置については、令和4年3月31日において、現に急性期一般入院基本料(急性期一般入院料7を除く。)及び7対1入院基本料(結核病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)及び専門病院入院基本料)に係る届出を行っている病棟であって、旧算定方法における重症度、医療・看護必要度の基準を満たす病棟については、令和4年9月30日までは令和4年度改定後の別表2又は3の重症度、医療・看護必要度の基準をそれぞれ満たすものとみなすものであること。また、令和4年3月31日時点で急性期一般入院料7、地域一般入院料1、特定機能病院入院基本料の7対1入院基本料(結核病棟に限る。)若しくは10対1入院基本料(一般病棟に限る。)及び専門病院入院基本料の10対1入院基本料の届出を行っている病棟にあっては、令和4年9月30日までの間に限り、令和4年度改定前の「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和2年3月5日保医発第0305第2号)の別添6の別紙7の一般病棟用の重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡに係る評価票を用いて評価をしても差し支えないこと。

4の3 急性期一般入院料1及び7対1入院基本料に係る入院患者数及び医師の数

4の3 急性期一般入院料1及び7対1入院基本料(特定機能病院入院基本料及び障害者施設等入院基本料を除く。)に係る入院患者数及び医師の数については、次の点に留意すること。
(1) 急性期一般入院料1及び7対1入院基本料に係る患者数
4の(1)によること。
(2) 常勤の医師の数
ア 医師数は、常勤(週4日以上常態として勤務しており、かつ、所定労働時間が週32時間以上であることをいう。ただし、正職員として勤務する者について、育児・介護休業法第23条第1項、同条第3項又は同法第24条の規定による措置が講じられ、当該労働者の所定労働時間が短縮された場合にあっては、所定労働時間が週30時間以上であることをいう。)の医師の他、非常勤医師の実労働時間数を常勤換算し算入することができる。
イ ウの医師数の計算方法における医師数は、届出時の医師数とする。
ウ 急性期一般入院料1及び7対1入院基本料に係る医師数の計算方法
(イ) 急性期一般入院料1及び専門病院入院基本料の7対1入院基本料に係る医師数
医療法上の一般病床(感染症病床を含む。)に入院する患者数から急性期一般入院料1及び7対1入院基本料を算定する病棟に入院する患者数を減じた数を16で除した数、結核病床に入院する患者数を16で除した数、療養病床に入院する患者数を48で除した数及び精神病床に入院する患者数を48で除した数を合計した数を病院全体の医師数から減じた数
(ロ) 結核病棟入院基本料の7対1入院基本料に係る医師数
医療法上の一般病床(感染症病床を含む。)に入院する患者数を16で除した数、療養病床に入院する患者数を48で除した数及び精神病床に入院する患者数を48で除した数を合計した数を病院全体の医師数から減じた数
(3) 「基本診療料の施設基準等」第五の二の(1)のイの②の4及び六の(2)のイの⑤については以下のとおりとする。
(2)のウの(イ)による医師数が、(1)による患者数に100分の10を乗じた数以上。ただし、当該病棟に係る入院患者数が30人未満の場合は、3人以上。
(4) 「基本診療料の施設基準等」第五の四の(1)のイの④については以下の通りとする。
(2)のウの(ロ)による医師数が、(1)による患者数に100分の10を乗じた数以上。ただし、当該病棟に係る入院患者数が30人未満の場合は、3人以上。

4の4 急性期一般入院料1、7対1入院基本料に係る自宅等に退院するものの割合

4の4 急性期一般入院料1、7対1入院基本料(特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)及び専門病院入院基本料)に係る自宅等に退院するものの割合について
(1) 急性期一般入院料1、7対1入院基本料(特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)及び専門病院入院基本料)に係る自宅等に退院するものとは、他の保険医療機関(地域包括ケア病棟入院料(入院医療管理料を含む。)、回復期リハビリテーション病棟入院料、特定機能病院リハビリテーション病棟入院料、療養病棟入院基本料、有床診療所入院基本料及び有床診療所療養病床入院基本料を算定する病棟及び病室を除く。)に転院した患者以外の患者をいう。
(2) 当該病棟から退院した患者数に占める自宅等に退院するものの割合は、次のアに掲げる数をイに掲げる数で除して算出する。
ア 直近6か月間において、当該病棟から退院した患者数(第2部「通則5」に規定する入院期間が通算される再入院患者、同一の保険医療機関の当該入院料にかかる病棟以外の病棟への転棟患者及び死亡退院した患者を除く。)のうち、自宅等に退院するものの数
イ 直近6か月間に退院した患者数(第2部「通則5」に規定する入院期間が通算される再入院患者、同一の保険医療機関の当該入院料にかかる病棟以外の病棟への転棟患者及び死亡退院した患者を除く。)

4の5 データ提出加算

4の5 一般病棟入院基本料、7対1入院基本料、10対1入院基本料、13対1入院基本料、15対1入院基本料(特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)、専門病院入院基本料及び障害者施設等入院基本料)並びに療養病棟入院基本料を届け出ている病棟においては、データ提出加算に係る届出を行っていること。ただし、令和4年3月31日において、現に旧算定方法に規定する地域一般入院基本料、専門病院入院基本料(13対1入院基本料に限る。)又は障害者施設等入院基本料に係る届出を行っている保険医療機関であって、許可病床数が200床以上の保険医療機関については、令和5年3月31日までの間、許可病床数が200床未満の保険医療機関については、令和6年3月31日までの間、令和4年3月31日において急性期一般入院基本料、特定機能病院入院基本料(一般病棟の場合に限る。)、専門病院入院基本料(13対1入院基本料を除く。)、回復期リハビリテーション病棟入院料1から4若しくは地域包括ケア病棟入院料を算定する病棟若しくは病室をいずれも有しない保険医療機関であって、地域一般入院基本料、療養病棟入院料1若しくは2を算定する病棟、療養病棟入院基本料の注11に係る届出を行っている病棟、専門病院入院基本料(13対1入院基本料に限る。)、障害者施設等入院基本料、特殊疾患入院医療管理料、回復期リハビリテーション病棟入院料5、特殊疾患病棟入院料、緩和ケア病棟入院料若しくは精神科救急急性期医療入院料を算定する病棟又は病室のいずれかを有するもののうち、これらの病棟又は病室の病床数の合計が当該保険医療機関において200床未満であり、データ提出加算の届出を行うことが困難であることについて正当な理由があるものは、当分の間、当該基準を満たしているものとみなす。なお、当該基準については、別添7の様式40の7を用いて届出を行った時点で、当該入院料の届出を行うことができる。

4の5の2 「基本診療料の施設基準等」第五の二の(1)のイの③の4及び第五の二の(1)のイの④の4

4の5の2 「基本診療料の施設基準等」第五の二の(1)のイの③の4及び第五の二の(1)のイの④の4について
急性期一般入院料2又は3を算定する保険医療機関については、厚生労働省が入院医療を担う保険医療機関の機能や役割について分析・評価するために行う調査に適切に参加すること。ただし、やむを得ない事情が存在する場合には、この限りでない。

4の5の3

4の5の3 許可病床数400床以上の保険医療機関であって急性期一般入院基本料(急性期一般入院料2及び3を除く。)を算定するもの又は7対1入院基本料(特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。))を算定する保険医療機関については、厚生労働省が入院医療を担う保険医療機関の機能や役割について分析・評価するために行う調査に適切に参加することが望ましい。

4の5の4 基本診療料の施設基準等第五の二の(1)のイの①の4

4の5の4 基本診療料の施設基準等第五の二の(1)のイの①の4について
急性期一般入院料6を届け出る場合その他やむを得ない事情とは、新たに保険医療機関の指定を受け、入院基本料の施設基準に係る届出を行う場合、又は急性期一般入院基本料1から6のいずれかを既に届け出ている保険医療機関であって第26の4の4(3)の規定によりデータ提出加算を算定できなくなった場合は、新たに保険医療機関を指定する日又はデータ提出加算に係る施設基準を満たさなくなった日の属する月の翌月から起算して1年に限り、急性期一般入院料6について、データ提出加算に係る届出を行っているものとみなすことができる。

4の6 月平均夜勤時間超過減算による入院基本料及び夜勤時間特別入院基本料を算定する病棟

4の6 月平均夜勤時間超過減算による入院基本料及び夜勤時間特別入院基本料を算定する病棟については、次の点に留意する。
(1) 月平均夜勤時間超過減算による入院基本料
ア 一般病棟入院基本料、結核病棟入院基本料、精神病棟入院基本料及び障害者施設等入院基本料を算定する病棟において、別に厚生労働大臣が定める基準(夜勤を行う看護職員の1人当たりの月平均夜勤時間数が72時間以下であること)のみを満たせなくなった場合、当該基準を満たせなくなってから直近3月に限り、算定できるものであること。ただし、病棟の種別にかかわらず、月平均夜勤時間超過減算による入院基本料又は夜勤時間特別入院基本料を最後に算定した月から起算して1年以内は、当該減算による入院基本料の算定はできないものであること。
イ 本通知の第3の1の(1)に規定する一時的な変動に該当する場合には、当該一時的な変動に該当しなくなってから直近3月に限り、算定できるものであること。
ウ 月平均夜勤時間超過減算により入院基本料を算定する場合は、看護職員の採用活動状況等に関する書類を毎月10日までに地方厚生(支)局長に提出すること。
(2) 夜勤時間特別入院基本料
ア 一般病棟入院基本料、結核病棟入院基本料及び精神病棟入院基本料を算定する病棟において、別に厚生労働大臣が定める基準(夜勤を行う看護職員の1人当たりの月平均夜勤時間数が72時間以下であること。)のみを満たせなくなった場合、当分の間、算定できるものであること。
イ 夜勤時間特別入院基本料を算定する場合は、医療勤務環境改善支援センターに相談し、その相談状況に関する書類及び看護職員の採用活動状況等に関する書類を毎月10日までに地方厚生(支)局長に提出すること。
(3) 月平均夜勤時間超過減算による入院基本料又は夜勤時間特別入院基本料を算定する保険医療機関においては、保険医療機関及び保険医療養担当規則第11条の2に規定されているように、保険医療機関は、看護を実施するに当たって必要な看護職員の確保に努めなければならないこととされており、看護職員定着のための処遇改善等についてなお一層の努力をすること。また、月平均夜勤時間超過減算による入院基本料又は夜勤時間特別入院基本料の算定期間中は、看護職員の夜勤時間について規定がないため、特定の看護職員に夜勤時間が偏重することがないように配慮すること。
(4) 月平均夜勤時間超過減算による入院基本料又は夜勤時間特別入院基本料の届出を行う場合は、別添7の様式6及び様式9を用いること。

4の7 看護必要度加算及び一般病棟看護必要度評価加算を算定する病棟

4の7 看護必要度加算及び一般病棟看護必要度評価加算を算定する病棟については、次の点に留意する。
(1) 10対1入院基本料(特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)及び専門病院入院基本料)及び13対1入院基本料(専門病院入院基本料に限る。)を算定する病棟は、当該入院基本料を算定するものとして届け出た病棟に、直近3月において入院している全ての患者の状態を、別添6の別紙7の一般病棟用の重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡに係る評価票を用いて継続的に測定し、その結果に基づいて評価を行っていること。10対1入院基本料(特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)及び専門病院入院基本料)を算定する病棟については、評価の結果、4の2(2)別表1のいずれかに該当する患者の割合が別表4のとおりであること。
別表4
一般病棟用の重症度、医
療・看護必要度Ⅰ
一般病棟用の重症度、医
療・看護必要度Ⅱ
看護必要度加算1 2割2分 2割
看護必要度加算2 2割 1割8分
看護必要度加算3 1割8分 1割5分
(2) 評価に当たっては、産科患者、15歳未満の小児患者、短期滞在手術等基本料を算定する患者、基本診療料の施設基準等の別表第二の二十三に該当する患者(基本診療料の施設基準等第十の三に係る要件以外の短期滞在手術等基本料3に係る要件を満たす場合に限る。)及び基本診療料の施設基準等の別表第二の二十四に該当する患者は対象から除外すること。また、重症度、医療・看護必要度Ⅱの評価に当たっては、歯科の入院患者(同一入院中に医科の診療も行う期間については除く。)は、対象から除外すること。
(3) 重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡに係る評価票の記入は、院内研修を受けたものが行うものであること。ただし、別添6の別紙7の別表1に掲げる「一般病棟用の重症度、医療・看護必要度A・C項目に係るレセプト電算処理システム用コード一覧」を用いて評価を行う項目については、当該評価者により各選択肢の判断を行う必要はない。実際に、患者の重症度、医療・看護必要度が正確に測定されているか定期的に院内で確認を行うこと。
(4) 一般病棟用の重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡのいずれを用いて評価を行うかは、入院基本料の届出時に併せて届け出ること。なお、評価方法のみの変更を行う場合については、別添7の様式10を用いて届け出ること。ただし、評価方法のみの変更による新たな評価方法への切り替えは切替月のみとし、切替月の10日までに届け出ること。
(5) 毎年7月において、直近3月の評価の結果を別添7の様式10により地方厚生(支)局長に報告すること。
(6) 看護必要度加算の経過措置について、令和4年3月31日において、現に看護必要度加算1、2又は3を算定するものにあっては、令和4年9月30日まではそれぞれ令和4年度改定後の看護必要度加算1、2又は3の基準を満たすものとみなすものであること。
(7) 一般病棟看護必要度評価加算の経過措置について、令和4年3月31日において、現に一般病棟看護必要度評価加算の届出を行っている病棟にあっては、令和4年9月30日までの間に限り、令和4年度改定前の「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」(令和2年3月5日保医発第0305第2号)の別添6の別紙7の一般病棟用の重症度、医療・看護必要度Ⅰ又はⅡに係る評価票を用いて評価をしても差し支えないこと。

4の8 ADL維持向上等体制加算の施設基準

4の8 ADL維持向上等体制加算の施設基準
急性期一般入院基本料、7対1入院基本料(特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)及び専門病院入院基本料)又は10対1入院基本料(特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)及び専門病院入院基本料)を算定する病棟において、以下の基準を満たすこと。
(1) 当該病棟に、専従の常勤理学療法士、常勤作業療法士又は常勤言語聴覚士(以下「理学療法士等」という。)が2名以上配置されていること又は専従の理学療法士等が1名、かつ、専任の理学療法士等1名以上が配置されていること。なお、複数の病棟において当該加算の届出を行う場合には、病棟ごとにそれぞれ専従の理学療法士等が配置されていること。また、当該理学療法士等(専従のものに限る。)は、区分番号「H000」心大血管疾患リハビリテーション料、区分番号「H001」脳血管疾患等リハビリテーション料、区分番号「H001-2」廃用症候群リハビリテーション料、区分番号「H002」運動器リハビリテーション料、区分番号「H003」呼吸器リハビリテーション料、区分番号「H004」摂食機能療法、区分番号「H005」視能訓練、区分番号「H006」難病患者リハビリテーション料、区分番号「H007」障害児(者)リハビリテーション料、区分番号「H007-2」がん患者リハビリテーション料、区分番号「H007-3」認知症患者リハビリテーション料及び区分番号「H008」集団コミュニケーション療法料(以下「疾患別リハビリテーション等」という。)を担当する専従者との兼務はできないものであること。当該理学療法士等(専従のものに限る。)がADL維持向上等体制加算の算定を終了した当該病棟の患者に対し、引き続き疾患別リハビリテーション等を算定すべきリハビリテーションを提供する場合は、1日6単位まで算定できる。ただし、当該病棟内に区分番号「A308-3」に規定する地域包括ケア入院医療管理料1、2、3又は4を算定する病室がある場合には、当該病室における理学療法士等の業務について兼務しても差し支えない。
(2) 当該保険医療機関において、以下のいずれも満たす常勤医師が1名以上勤務していること。
ア リハビリテーション医療に関する3年以上の経験を有していること。
イ 適切なリハビリテーションに係る研修を修了していること。
(3) (2)の要件のうちイにおけるリハビリテーションに係る研修とは、医療関係団体等が開催する急性期のリハビリテーション医療に関する理論、評価法等に関する総合的な内容を含む研修であり、2日以上かつ10時間以上の研修期間で、修了証が交付されるものである。なお、当該研修には、次の内容を含むものである。
ア リハビリテーション概論について(急性期リハビリテーションの目的、障害の考え方、チームアプローチを含む。)
イ リハビリテーション評価法について(評価の意義、急性期リハビリテーションに必要な評価を含む。)
ウ リハビリテーション治療法について(運動療法、作業療法、言語聴覚療法、義肢装具療法及び薬物療法を含む。)
エ リハビリテーション処方について(リハビリテーション処方の実際、患者のリスク評価、リハビリテーションカンファレンスを含む。)
オ 高齢者リハビリテーションについて(廃用症候群とその予防を含む。)
カ 脳・神経系疾患(急性期)に対するリハビリテーションについて
キ 心臓疾患(CCUでのリハビリテーションを含む。)に対するリハビリテーションについて
ク 呼吸器疾患に対するリハビリテーションについて
ケ 運動器系疾患のリハビリテーションについて
コ 周術期におけるリハビリテーションについて(ICUでのリハビリテーションを含む。)
(4) 当該病棟の直近1年間の新規入院患者のうち、65歳以上の患者が8割以上、又は、循環器系、新生物、消化器系、運動器系若しくは呼吸器系の疾患の患者が6割以上であること。
(5) アウトカム評価として、以下の基準を全て満たすこと。患者のADLは、基本的日常生活活動度(Barthel Index)(以下「BI」という。)を用いて評価することとする。
ア 直近1年間に、当該病棟を退院又は転棟した患者(死亡退院を除く。)のうち、退院又は転棟時におけるADL(「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」の別添1の2の別紙様式7の2の合計得点をいう。以下(5)において同じ。)が入院時と比較して低下した患者の割合が3%未満であること。なお、入院日から起算して4日以内に外科手術を行い、当該外科手術の日から起算して3日目のADLが入院時より30以上低下した場合は、退院又は転棟時におけるADLは、入院時のADLとではなく当該外科手術の日から起算して3日目のADLと比較するものとする。なお、新規に届出をする場合は、直近3月間の実績が施設基準を満たす場合、届出することができる。なお、施設基準を満たさなくなったため所定点数を加算できなくなった後、再度届出を行う場合については新規に届出をする場合には該当しない。
イ 当該病棟の入院患者のうち、院内で発生した褥瘡(DESIGN-R2020分類d2以上とする。)を保有している入院患者の割合が2.5%未満であること。なお、その割合は、次の(イ)に掲げる数を(ロ)に掲げる数で除して算出する。ただし、届出時の直近月の初日(以下この項において「調査日」という。)における当該病棟の入院患者数が80人以下の場合は、本文の規定にかかわらず、当該病棟の入院患者のうち、院内で発生した褥瘡を保有している入院患者が2人以下であること。
(イ) 調査日に褥瘡を保有する患者数のうち、入院時既に褥瘡保有が記録された患者を除いた患者数
(ロ) 調査日の入院患者数(調査日の入院又は予定入院患者は含めず、退院又は退院予定患者は含める。)なお、届出以降は、別添7の様式5の4に基づき、院内で発生したDESIGN-R2020分類d2以上の褥瘡を保有している入院患者の割合を調査すること。
(6) 疾患別リハビリテーション料又はがん患者リハビリテーション料の届出を行っていること。

4の9 障害者施設等入院基本料に係る7対1入院基本料を算定する病棟

4の9 障害者施設等入院基本料に係る7対1入院基本料を算定する病棟について
「基本診療料の施設基準等」第五の七の(2)のイの③については、直近1か月における当該病棟に入院する超重症児(者)及び準超重症児(者)の数の和の1日平均を、直近1か月における当該病棟に入院する患者数の1日平均で除して算出する。

4の10 精神病棟入院基本料及び特定機能病院入院基本料を算定する病棟

4の10 精神病棟入院基本料及び特定機能病院入院基本料(精神病棟に限る。)を算定する病棟について
(1) 7対1入院基本料(特定機能病院の精神病棟に限る。)又は10対1入院基本料を算定する病棟については、以下の基準を満たすこと。当該病棟の直近3か月間の新規入院患者の5割以上が入院時においてGAF尺度30以下であること。
(2) 13対1入院基本料を算定する病棟については、以下の基準を満たすこと。
ア 当該病棟の直近3か月間の新規入院患者の4割以上が、入院時においてGAF尺度30以下又は区分番号「A230-3」精神科身体合併症管理加算の対象となる患者であること。
イ 身体合併症を有する患者の治療が行えるよう、必要に応じて、当該保険医療機関の精神科以外の医師が治療を行う体制が確保されていること。

4の11 適切な意思決定支援に関する指針

4の11 「基本診療料の施設基準等」の第五の三の(1)のイの⑥に規定する「適切な意思決定支援に関する指針」について
「適切な意思決定支援に関する指針を定めていること」とは、当該保険医療機関において、厚生労働省「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」等の内容を踏まえ、意思決定支援に関する指針を定めていることをいう。

4の12 中心静脈注射用カテーテルに係る感染を防止するにつき十分な体制

4の12 「基本診療料の施設基準等」の第五の三の(1)のイの⑦に規定する「中心静脈注射用カテーテルに係る感染を防止するにつき十分な体制」について中心静脈注射用カテーテルに係る感染を防止するにつき十分な体制として、次の体制を整備していること。
ア 中心静脈注射用カテーテルに係る院内感染対策のための指針を策定していること。
イ 当該療養病棟に入院する個々の患者について、中心静脈注射用カテーテルに係る感染症の発生状況を継続的に把握し、その結果を「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」の別添1の2の別紙様式2の「医療区分・ADL区分等に係る評価票」の所定の欄に記載すること。

5 医療区分3及び医療区分2の患者の割合

5 療養病棟入院料1及び2を算定する病棟の入院患者に係る「基本診療料の施設基準等」別表第五の二に掲げる疾患及び状態にある患者(以下別添2において「医療区分3の患者」という。)及び別表第五の三の一及び二に掲げる疾患及び状態にある患者及び同表の三に掲げる患者(以下別添2において「医療区分2の患者」という。)の割合の算出方法等

医療区分3及び医療区分2の患者の割合については、次のアに掲げる数をイに掲げる数で除して算出する。
ア 直近3か月における各病棟の入院患者ごとの医療区分3の患者及び医療区分2の患者に該当する日数の和
イ 直近3か月における各病棟の入院患者ごとの入院日数の和

6 療養病棟入院基本料の注1本文に規定する厚生労働大臣が定める区分

6 「基本診療料の施設基準等」の第五の三の(2)に規定する区分
当該療養病棟に入院する患者については、別添6の別紙8の「医療区分・ADL区分等に係る評価票 評価の手引き」を用いて毎日評価を行い、「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」の別添1の2の別紙様式2の「医療区分・ADL区分等に係る評価票」の所定の欄に記載すること。その際、該当する全ての項目に記載すること。

7 褥瘡に対する治療を実施している状態

7 医療区分2に定める「褥瘡に対する治療を実施している状態」については、入院又は転院時既に褥瘡を有していた患者に限り、治癒又は軽快後も30日に限り、引き続き医療区分2として取り扱うことができる。ただし、当該取扱いを行う場合においては、入院している患者に係る褥瘡の発生割合について、当該患者又は家族の求めに応じて説明を行うこと。なお、褥瘡の発生割合とは、当該病棟の全入院患者数に占める当該病棟内で発生した褥瘡患者数(入院又は転院時既に発生していた褥瘡患者を除く。)の割合である。

8 褥瘡の発生割合等の継続的な測定及び評価

8 「基本診療料の施設基準等」の第五の三の(1)のイの④に規定する褥瘡の発生割合等の継続的な測定及び評価
当該療養病棟に入院する個々の患者について、褥瘡又は尿路感染症の発生状況や身体抑制の実施状況を継続的に把握し、その結果を「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」の別添1の2の別紙様式2の「医療区分・ADL区分等に係る評価票」の所定の欄に記載すること。

8の2 療養病棟入院基本料の注1に規定する中心静脈栄養を実施している状態にある者の摂食機能又は嚥下機能の回復に必要な体制

8の2 療養病棟入院基本料の注1に規定する中心静脈栄養を実施している状態にある者の摂食機能又は嚥下機能の回復に必要な体制について
次のいずれも満たしていること。
ア 内視鏡下嚥下機能検査又は嚥下造影を実施する体制を有していること。なお、当該検査等については、耳鼻咽喉科又はリハビリテーション科その他必要な診療科を標榜する他の保険医療機関との協力により確保することでも差し支えない。
イ 摂食機能療法を当該保険医療機関内で実施できること。
ウ 毎年7月において、療養病棟入院料を算定している患者のうち、中心静脈栄養を実施している患者の数、終了した患者の数、嚥下機能療法を実施した患者の数及びアの他の保険医療機関との協力による体制の確保の状況等を様式5の7を用いて届け出ること。

9 療養病棟入院基本料の注10に規定する在宅復帰機能強化加算

9 療養病棟入院基本料の注10に規定する在宅復帰機能強化加算について
次の施設基準を全て満たしていること。
(1) 療養病棟入院料1を届け出ている保険医療機関であること。
(2) 次のいずれにも適合すること。
ア 当該病棟から退院した患者(当該保険医療機関の他病棟(療養病棟入院基本料を算定していない病棟に限る。)から当該病棟に転棟した患者については、当該病棟に入院した期間が1月以上のものに限る。以下この項において同じ。)に占める在宅に退院した患者の割合が5割以上であり、その割合は、次の(イ)に掲げる数を(ロ)に掲げる数で除して算出するものであること。なお在宅に退院した患者とは、同一の保険医療機関の当該加算に係る病棟以外の病棟へ転棟した患者、他の保険医療機関へ転院した患者及び介護老人保健施設に入所する患者を除く患者をいい、退院した患者の在宅での生活が1月以上(医療区分3の患者については14日以上)継続する見込みであることを確認できた患者をいう。
(イ) 直近6月間に退院した患者(第2部「通則5」に規定する入院期間が通算される再入院患者及び死亡退院した患者を除く。)のうち、在宅に退院した患者数
(ロ) 直近6か月間に退院した患者数(第2部「通則5」に規定する入院期間が通算される再入院患者及び死亡退院した患者を除き、他の保険医療機関へ転院した者等を含む。ただし、病状の急性増悪等により、他の保険医療機関(当該保険医療機関と特別の関係にあるものを除く。)での治療が必要になり転院した患者を除く。なお、当該患者の数及び各患者の症状詳記の一覧を、届出の際に添付の上提出する。)
イ 在宅に退院した患者の退院後1月以内(医療区分3の患者については14日以内)に、当該保険医療機関の職員が当該患者の居宅を訪問することにより、又は当該保険医療機関が在宅療養を担当する保険医療機関から情報提供を受けることにより、当該患者の在宅における生活が1月以上(退院時に医療区分3である場合にあっては14日以上)継続する見込みであることを確認し、記録していること。
(3) 当該保険医療機関又は別の保険医療機関の病棟若しくは病室(一般病棟入院基本料、特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)、専門病院入院基本料、救命救急入院料、特定集中治療室管理料、ハイケアユニット入院医療管理料、脳卒中ケアユニット入院医療管理料又は地域包括ケア病棟入院料を算定するものに限る。)から当該病棟に入院し、在宅に退院した1年間の患者数(当該保険医療機関の他病棟から当該病棟に転棟して1か月以内に退院した患者は除く。)を、当該病棟の1年間の1日平均入院患者数で除した数が100分の15以上であること。

10 療養病棟入院基本料の注11の規定により入院料を算定する病棟

10 療養病棟入院基本料の注11の規定により入院料を算定する病棟については、次の点に留意する。療養病棟入院基本料の注1に規定する病棟以外の病棟であって、療養病棟入院料2の施設基準のうち、別に厚生労働大臣が定めるもの(当該病棟において1日に看護を行う看護職員の数が、常時、当該病棟の入院患者の数が20若しくはその端数を増すごとに1以上であること若しくは当該病棟において1日に看護補助を行う看護補助者の数が、常時、当該病棟の入院患者の数が20若しくはその端数を増すごとに1以上であること又は当該病棟に入院している患者のうち、医療区分3の患者と医療区分2の患者との合計が5割以上であること)のみを満たせなくなった場合(いずれも満たせなくなった場合を含む。)に、令和4年3月31日時点で旧算定方法別表第1に掲げる療養病棟入院基本料の注11に係る届出を行っていた病棟に限り、算定できる。ただし、別に厚生労働大臣が定めるもののうち、「当該病棟において1日に看護を行う看護職員の数が、常時、当該病棟の入院患者の数が20又はその端数を増すごとに1以上であること」又は「当該病棟において1日に看護補助を行う看護補助者の数が、常時、当該病棟の入院患者の数が20若しくはその端数を増すごとに1以上であること。」を満たせなくなった場合については、令和4年3月31日時点で旧算定方法別表第1に掲げる療養病棟入院基本料の注11に係る届出を行っていた病棟であることに加え、当該病棟において1日に看護を行う看護職員の数が、常時、当該病棟の入院患者の数が25又はその端数を増すごとに1以上及び当該病棟において1日に看護補助を行う看護補助者の数が、常時、当該病棟の入院患者の数が25又はその端数を増すごとに1以上である必要があること。

11 療養病棟入院基本料の注12に規定する夜間看護加算の施設基準

11 療養病棟入院基本料の注12に規定する夜間看護加算の施設基準
(1) 当該病棟において、夜勤を行う看護要員の数は、常時、当該病棟の入院患者の数が16又はその端数を増すごとに1に相当する数以上であること。ただし、看護要員の配置については、療養病棟入院基本料を届け出ている病棟間においてのみ傾斜配置できるものであること。なお、当該病棟において、夜勤を行う看護要員の数が前段に規定する数に相当する数以上である場合には、各病棟における夜勤を行う看護要員の数は、前段の規定にかかわらず、看護職員1を含む看護要員3以上であることとする。ただし、看護要員の配置については、同一の入院基本料を届け出ている病棟間においてのみ傾斜配置できるものであること。
(2) 夜間看護加算を算定するものとして届け出た病床に入院している患者全体(延べ患者数)に占めるADL区分3の患者の割合が5割以上であること。
(3) 看護職員の負担の軽減及び処遇の改善に資する体制として、次の体制を整備していること。
ア 当該保険医療機関内に、看護職員の負担の軽減及び処遇の改善に関し、当該保険医療機関に勤務する看護職員の勤務状況を把握し、その改善の必要性等について提言するための責任者を配置すること。
イ 当該保険医療機関内に、多職種からなる役割分担推進のための委員会又は会議(以下この項において「委員会等」という。)を設置し、「看護職員の負担の軽減及び処遇の改善に資する計画」を作成すること。当該委員会等は、当該計画の達成状況の評価を行う際、その他適宜必要に応じて開催していること。なお、当該委員会等は、当該保険医療機関における労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第19条に規定する安全衛生委員会等、既存の委員会を活用することで差し支えない。
ウ イの計画は、現状の勤務状況等を把握し、問題点を抽出した上で、具体的な取組み内容と目標達成年次等を含めた看護職員の負担の軽減及び処遇の改善に資する計画とすること。また、当該計画を職員に対して周知徹底していること。
エ 看護職員の負担の軽減及び処遇の改善に関する取組事項を当該保険医療機関内に掲示する等の方法で公開すること。
(4) 夜間看護加算に係る看護補助業務に従事する看護補助者は、以下の基礎知識を習得でる内容を含む院内研修を年1回以上受講した者であること。なお、アについては、内容に変更がない場合は、2回目以降の受講は省略して差し支えない。
ア 医療制度の概要及び病院の機能と組織の理解
イ 医療チーム及び看護チームの一員としての看護補助業務の理解
ウ 看護補助業務を遂行するための基礎的な知識・技術
エ 日常生活にかかわる業務
オ 守秘義務、個人情報の保護
カ 看護補助業務における医療安全と感染防止 等
(5) 当該病棟において、看護職員と看護補助者との業務内容及び業務範囲について、年1回以上見直しを行うこと。
(6) 当該病棟の看護師長等は、次のアに掲げる所定の研修(修了証が交付されるものに限る。)を修了していることが望ましいこと。また、当該病棟の全ての看護職員(アに掲げる所定の研修を修了した看護師長等を除く。)が次のイの内容を含む院内研修を年1回以上受講していることが望ましいこと。ただし、それぞれの研修については、内容に変更がない場合は、2回目以降の受講は省略して差し支えない。
ア 次に掲げる所定の研修
(イ) 国、都道府県又は医療関係団体等が主催する研修であること(5時間程度)
(ロ) 講義及び演習により、次の項目を行う研修であること
① 看護補助者の活用に関する制度等の概要
② 看護職員との連携と業務整理
③ 看護補助者の育成・研修・能力評価
④ 看護補助者の雇用形態と処遇等
イ 次の内容を含む院内研修
(イ) 看護補助者との協働の必要性
(ロ) 看護補助者の制度的な位置づけ
(ハ) 看護補助者と協働する看護業務の基本的な考え方
(ニ) 看護補助者との協働のためのコミュニケーション
(ホ) 自施設における看護補助者に係る規定及び運用

11の2 療養病棟入院基本料の注12に規定する看護補助体制充実加算の施設基準

11の2 療養病棟入院基本料の注12に規定する看護補助体制充実加算の施設基準
(1) 11の(1)から(5)までを満たしていること。ただし、(4)のエについては、看護補助者が行う業務内容ごとに業務範囲、実施手順、留意事項等について示した業務マニュアルを作成し、当該マニュアルを用いて院内研修を実施していること。
(2) 当該病棟の看護師長等が11の(6)のアに掲げる所定の研修を修了していること。また、当該病棟の全ての看護職員((6)のアに掲げる所定の研修を修了した看護師長等を除く。)が(6)のイの内容を含む院内研修を年1回以上受講していること。ただし、内容に変更がない場合は、2回目以降の受講は省略して差し支えない。

12 精神病棟入院基本料の注4及び特定機能病院入院基本料の注4に規定する重度認知症加算の施設基準

12 精神病棟入院基本料の注4及び特定機能病院入院基本料の注4に規定する重度認知症加算の施設基準
精神病棟入院基本料及び特定機能病院入院基本料(精神病棟に限る。)を算定する患者について加算できる施設基準等は以下のとおりである。
(1) 精神病棟入院基本料の注4の施設基準等
ア 「基本診療料の施設基準等」の第五の四の二の(5)のイの基準を満たしていること。
イ 算定対象となる重度認知症の状態とは、「「認知症高齢者の日常生活自立度判定基準」の活用について」(平成18年4月3日老発第0403003号。別添6の別紙12及び別紙13参照)におけるランクMに該当すること。ただし、重度の意識障害のある者(JCS(Japan Coma Scale)でⅡ-3(又は30)以上又はGCS(Glasgow Coma Scale)で8点以下の状態にある者)を除く。
(2) 特定機能病院入院基本料の注4の基準
(1)のイの基準を満たしていること。

13 精神病棟入院基本料の注7に規定する精神保健福祉士配置加算の施設基準

13 精神病棟入院基本料の注7に規定する精神保健福祉士配置加算の施設基準
(1) 当該病棟に、専従の常勤精神保健福祉士が1名以上配置されていること。
(2) 当該保険医療機関内に退院支援部署を設置し、当該部署に専従の常勤精神保健福祉士が1名以上配置されていること。なお、当該病棟に専従する精神保健福祉士と退院支援部署に専従する精神保健福祉士は兼任できないが、退院支援部署は、退院調整加算又は精神科地域移行実施加算の退院支援部署又は地域移行推進室と同一でもよい。
(3) 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(平成15年法律第110号)第34条第1項若しくは第60条第1項に規定する鑑定入院の命令を受けた者又は同法第37条第5項若しくは第62条第2項に規定する鑑定入院の決定を受けた者(以下「鑑定入院患者」という。)及び同法第42条第1項第1号若しくは第61条第1項第1号に規定する入院(以下「医療観察法入院」という。)の決定を受けた者として当該保険医療機関に入院となった患者を除いた当該病棟の入院患者のうち9割以上が入院日から起算して1年以内に退院し、自宅等へ移行すること。「自宅等へ移行する」とは、患家、介護老人保健施設、介護医療院又は障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)に規定する障害福祉サービスを行う施設又は福祉ホーム(以下「精神障害者施設」という。)へ移行することである。なお、ここでいう「患家」とは、退院先のうち、同一の保険医療機関の当該入院料に係る病棟以外の病棟へ転棟した場合、他の保険医療機関へ転院した場合及び介護老人保健施設、介護医療院又は精神障害者施設に入所した場合を除いたものをいう。また、退院後に、医科点数表第1章第2部通則5の規定により入院期間が通算される再入院をした場合は、移行した者として計上しない。

13の2 特定機能病院入院基本料の注11に規定する入院栄養管理体制加算の施設基準

13の2 特定機能病院入院基本料の注11に規定する入院栄養管理体制加算の施設基準
(1) 当該病棟に、専従の常勤管理栄養士が1名以上配置されていること。
(2) 区分番号「A246」に掲げる入退院支援加算の「注7」に規定する入院時支援加算の届出を行っている保険医療機関であること。

14 専門病院入院基本料の施設基準の(1)の通則の主として悪性腫瘍患者又は循環器疾患患者を当該病院の一般病棟に7割以上入院させ、高度かつ専門的な医療を行っている病院

14 「基本診療料の施設基準等」の第五の六専門病院入院基本料の施設基準の(1)の通則の主として悪性腫瘍患者又は循環器疾患患者を当該病院の一般病棟に7割以上入院させ、高度かつ専門的な医療を行っている病院とは、具体的には、次の各号に掲げる基準を満たすものをいう。
(1) 悪性腫瘍に係る専門病院について
ア 200床以上の一般病床を有していること。
イ 一般病棟(障害者施設等入院基本料及び特定入院料(救命救急入院料、特定集中治療室管理料及び緩和ケア病棟入院料を除く。)を算定する病棟を除く。以下この項において同じ。)に勤務する常勤の医師の員数が許可病床(当該一般病棟に係るものに限る。)数に100分の6を乗じて得た数以上であること。
ウ リニアック等の機器が設置されていること。
エ 一般病棟の入院患者の7割以上が悪性腫瘍患者であること。
オ 外来患者の3割以上が紹介患者であること。
(2) 循環器疾患に係る専門病院について
ア 特定集中治療室管理の施設基準に係る届出を行い受理された病院であること。
イ 一般病棟の入院患者の7割以上が循環器疾患患者であること。
ウ (1)のア、イ及びオを満たしていること。

15 障害者施設等入院基本料の対象となる病棟

15 「基本診療料の施設基準等」の第五の七障害者施設等入院基本料の対象となる病棟は、次のいずれかの基準を満たすものをいう。ただし、7対1入院基本料の対象となる病棟は、次の(1)のいずれかの基準を満たすものに限る。なお、(2)の要件を満たすものとして届出を行う場合には、別添7の様式19を用いること。
(1) 次のいずれかに該当する一般病棟
ア 児童福祉法(昭和22年法律第164号)第42条第2号に規定する医療型障害児入所施設(主として肢体不自由のある児童又は重症心身障害児(同法第7条第2項に規定する重症心身障害児をいう。以下同じ。)を入所させるものに限る。)
イ 児童福祉法第6条の2の2第3項に規定する指定発達支援医療機関
(2) 次のいずれにも該当する一般病棟
ア 重度の肢体不自由児(者)(脳卒中の後遺症の患者及び認知症の患者を除く。以下単に「重度の肢体不自由児(者)」という。)、脊髄損傷等の重度障害者(脳卒中の後遺症の患者及び認知症の患者を除く。以下単に「脊髄損傷等の重度障害者」という。)、重度の意識障害者、筋ジストロフィー患者、難病患者等を概ね7割以上入院させている病棟であること。なお、重度の意識障害者とは、次に掲げるものをいうものであり、病因が脳卒中の後遺症であっても、次の状態である場合には、重度の意識障害者となる。
(イ) 意識障害レベルがJCS(Japan Coma Scale)でⅡ-3(又は30)以上又はGCS(Glasgow Coma Scale)で8点以下の状態が2週以上持続している患者
(ロ) 無動症の患者(閉じ込め症候群、無動性無言、失外套症候群等)
イ 当該病棟において、1日に看護を行う看護職員及び看護補助を行う看護補助者の数は、常時、当該病棟の入院患者の数が10又はその端数を増すごとに1以上であること。ただし、当該病棟において、1日に看護を行う看護職員及び看護補助を行う看護補助者の数が前段に規定する数に相当する数以上である場合には、各病棟における夜勤を行う看護職員及び看護補助者の数は、前段の規定にかかわらず、看護職員1を含む2以上であることとする。

16 障害者施設等入院基本料の注9に規定する看護補助加算の施設基準

16 障害者施設等入院基本料の注9に規定する看護補助加算の施設基準
(1) 当該病棟において、1日に看護補助を行う看護補助者の数は、常時、当該病棟の入院患者の数が30又はその端数を増すごとに1に相当する数以上であること。
(2) 当該病棟において、夜勤を行う看護補助者の数は、常時、当該病棟の入院患者の数が75又はその端数を増すごとに1に相当する数以上であること。
(3) 看護補助者の配置については、各病棟の入院患者の状態等保険医療機関の実情に応じ、同一の入院基本料を届け出ている病棟間を含め、曜日や時間帯によって一定の範囲で傾斜配置できる。
(4) 看護職員の負担の軽減及び処遇の改善に資する体制を整備していること。当該体制については、11の(3)の例による。
(5) 看護補助加算に係る看護補助業務に従事する看護補助者は、以下の基礎知識を習得できる内容を含む院内研修を年1回以上受講した者であること。なお、アについては、内容に変更がない場合は、2回目以降の受講は省略して差し支えない。
ア 医療制度の概要及び病院の機能と組織の理解
イ 医療チーム及び看護チームの一員としての看護補助業務の理解
ウ 看護補助業務を遂行するための基礎的な知識・技術
エ 日常生活にかかわる業務
オ 守秘義務、個人情報の保護
カ 看護補助業務における医療安全と感染防止等
(6) 当該病棟において、看護職員と看護補助者との業務内容及び業務範囲について、年1回以上見直しを行うこと。
(7) 当該病棟の看護師長等は、次のアに掲げる所定の研修(修了証が交付されるものに限る。)を修了していることが望ましいこと。また、当該病棟の全ての看護職員(アに掲げる所定の研修を修了した看護師長等を除く。)が、次のイの内容を含む院内研修を年1回以上受講していることが望ましいこと。ただし、それぞれの研修については、内容に変更がない場合は、2回目以降の受講は省略して差し支えない。
ア 次に掲げる所定の研修
(イ) 国、都道府県又は医療関係団体等が主催する研修であること(5時間程度)
(ロ) 講義及び演習により、次の項目を行う研修であること
① 看護補助者の活用に関する制度等の概要
② 看護職員との連携と業務整理
③ 看護補助者の育成・研修・能力評価
④ 看護補助者の雇用形態と処遇等
イ 次の内容を含む院内研修
(イ) 看護補助者との協働の必要性
(ロ) 看護補助者の制度的な位置づけ
(ハ) 看護補助者と協働する看護業務の基本的な考え方
(ニ) 看護補助者との協働のためのコミュニケーション
(ホ) 自施設における看護補助者に係る規定及び運用

16の2 障害者施設等入院基本料の注9に規定する看護補助体制充実加算の施設基準

16の2 障害者施設等入院基本料の注9に規定する看護補助体制充実加算の施設基準
(1) 16の(1)から(6)までを満たしていること。ただし、(5)のエについては、看護補助者が行う業務内容ごとに業務範囲、実施手順、留意事項等について示した業務マニュアルを作成し、当該マニュアルを用いて院内研修を実施していること。
(2) 当該病棟の看護師長等が16の(7)のアに掲げる所定の研修を修了していること。また、当該病棟の全ての看護職員((7)のアに掲げる所定の研修を修了した看護師長等を除く。)が(7)のイの内容を含む院内研修を年1回以上受講していること。ただし、内容に変更がない場合は、2回目以降の受講は省略して差し支えない。

17 障害者施設等入院基本料の注10に規定する夜間看護体制加算

17 障害者施設等入院基本料の注10に規定する夜間看護体制加算について
(1) 次に掲げる夜間における看護業務の負担軽減に資する業務管理等に関する項目のうち、ア又はウを含む4項目以上を満たしていること。ただし、当該加算を算定する病棟が2交代制勤務又は変則2交代制勤務を行う病棟のみで構成される保険医療機関である場合は、ア及びウからコまでのうち、ア又はウを含む4項目以上を満たしていること。なお、各項目の留意点については、別添3の第4の3の9の(3)と同様であること。
ア 当該病棟において、夜勤を含む交代制勤務に従事する看護要員の勤務終了時刻と直後の勤務の開始時刻の間が11時間以上であること。
イ 3交代制勤務又は変則3交代制勤務の病棟において、夜勤を含む交代制勤務に従事する看護要員の勤務開始時刻が、直近の勤務の開始時刻の概ね24時間後以降となる勤務編成であること。
ウ 当該病棟において、夜勤を含む交代制勤務に従事する看護要員の連続して行う夜勤の数が2回以下であること。
エ 当該病棟において、夜勤を含む交代制勤務に従事する看護要員の夜勤後の暦日の休日が確保されていること。
オ 当該病棟の看護要員について、夜勤時間帯の患者のニーズに対応できるよう、早出や遅出等の柔軟な勤務体制の工夫がなされていること。
カ 当該保険医療機関において、所属部署以外の部署を一時的に支援するために、夜勤時間帯を含めた各部署の業務量を把握・調整するシステムが構築されており、かつ、部署間での業務標準化に取り組み、過去一年間に当該システムを夜勤時間帯に運用した実績があること。
キ 当該加算に係る看護補助業務に従事する看護補助者の業務のうち5割以上が療養生活上の世話であること。
ク 当該病棟において、みなし看護補助者を除いた看護補助者の比率が5割以上であること。
ケ 当該保険医療機関において、夜勤時間帯を含めて開所している院内保育所を設置してお
り、夜勤を含む交代制勤務に従事する医療従事者の利用実績があること。
コ 当該病棟において、ICT、AI、IoT等の活用によって、看護要員の業務負担軽減を行っていること。
(2)令和4年3月31日時点で夜間看護体制加算に係る届出を行っている保険医療機関については、令和4年9月30日までの間に限り、(1)の基準を満たしているものとみなす。

18 夜間看護体制特定日減算

18 一般病棟入院基本料、結核病棟入院基本料、精神病棟入院基本料、専門病院入院基本料、障害者施設等入院基本料における夜間看護体制特定日減算について
当該減算は、許可病床数が100床未満の病院において、夜間、病棟の看護職員が一時的に救急外来で勤務する間、病棟の看護職員体制は、看護職員1名を含め看護職員と看護補助者を合わせて2名以上であること。ただし、当該時間帯の入院患者数が30人以下の場合は、看護職員1名で差し支えない。加えて、当該時間帯に当該病棟の看護職員が一時的に救急外来で勤務する間、当該病棟の看護に支障がないと当該病棟を担当する医師及び看護の管理者が判断した場合に限ること。

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