[留意]区分10の2 調剤管理料

区分10の2 調剤管理料
1 調剤管理料
(1) 調剤管理料は、同一患者の1回目の処方箋受付時から算定できる。
(2) 調剤管理料1は、1回の処方箋受付について、4剤以上ある場合についても、3剤として算定する。
(3) 内服薬について、隔日投与等の指示により患者が服用しない日がある場合における調剤管理料1は、実際の投与日数により算定する。
(4) 調剤管理料2は、処方箋受付1回につき所定点数を算定する。また、調剤管理料1を算定した場合は、調剤管理料の2は算定することができない。
(5) 同一薬局で同一処方箋を分割調剤(調剤基本料の「注9」の薬剤の保存が困難である等の理由による分割調剤又は「注10」の後発医薬品の試用のための分割調剤に限る。)した場合は、1回目の調剤から通算した日数に対応する点数から前回までに請求した点数を減じて得た点数により算定する。
(6) 調剤基本料の「注11」の医師の指示による分割調剤における2回目以降の調剤を行う場合には、患者の服薬状況、服薬期間中の体調の変化等について確認し、その結果を処方医に情報提供する。この場合において、次に掲げる事項を含めるものとする。また、処方医に対して情報提供した内容を薬剤服用歴等に記載する。
・残薬の有無
・残薬が生じている場合はその量及び理由
・患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)の有無
・副作用が疑われる場合はその原因の可能性がある薬剤の推定
(7) 薬剤服用歴等
薬剤服用歴等は同一患者についての全ての記録が必要に応じ直ちに参照できるよう患者ごとに保存及び管理するものであり、次の事項等を記載し、最終記入日から起算して3年間保存すること。なお、薬剤服用歴等への記載は指導後速やかに完了させること。
ア 患者の基礎情報(氏名、生年月日、性別、被保険者証の記号番号、住所、必要に応じて緊急連絡先)
イ 処方及び調剤内容等(処方した保険医療機関名、処方医氏名、処方日、調剤日、調剤した薬剤、処方内容に関する照会の要点等)
ウ 患者の体質(アレルギー歴、副作用歴等を含む)、薬学的管理に必要な患者の生活像及び後発医薬品の使用に関する患者の意向
エ 疾患に関する情報(既往歴、合併症及び他科受診において加療中の疾患に関するものを含む。)
オ オンライン資格確認システムを通じて取得した患者の薬剤情報又は特定健診情報等
カ 併用薬(要指導医薬品、一般用医薬品、医薬部外品及び健康食品を含む。)等の状況及び服用薬と相互作用が認められる飲食物の摂取状況
キ 服薬状況(残薬の状況を含む。)
ク 患者の服薬中の体調の変化(副作用が疑われる症状など)及び患者又はその家族等からの相談事項の要点
ケ 服薬指導の要点
コ 手帳活用の有無(手帳を活用しなかった場合はその理由と患者への指導の有無。また、複数の手帳を所有しており1冊にまとめなかった場合は、その理由)
サ 今後の継続的な薬学的管理及び指導の留意点
シ 指導した保険薬剤師の氏名
(8) 重複投薬・相互作用等防止加算
ア 重複投薬・相互作用等防止加算は、薬剤服用歴等又は患者及びその家族等からの情報等に基づき、処方医に対して連絡・確認を行い、処方の変更が行われた場合に処方箋受付1回につき算定する。ただし、複数の項目に該当した場合であっても、重複して算定することはできない。なお、調剤管理料を算定していない場合は、当該加算は算定できない。
イ 「イ 残薬調整に係るもの以外の場合」は、次に掲げる内容について、処方医に対して連絡・確認を行い、処方の変更が行われた場合に算定する。
(イ) 併用薬との重複投薬(薬理作用が類似する場合を含む。)
(ロ) 併用薬、飲食物等との相互作用
(ハ) そのほか薬学的観点から必要と認める事項
ウ 「ロ 残薬調整に係るものの場合」は、残薬について、処方医に対して連絡・確認を行い、処方の変更が行われた場合に算定する。
エ 重複投薬・相互作用等防止加算の対象となる事項について、処方医に連絡・確認を行った内容の要点、変更内容を薬剤服用歴等に記載する。
オ 同時に複数の処方箋を受け付け、複数の処方箋について薬剤を変更した場合であっても、1回に限り算定する。
カ 当該加算は、在宅患者訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料、在宅患者緊急時等共同指導料、居宅療養管理指導費又は介護予防居宅療養管理指導費を算定している患者については算定できない。
(9) 調剤管理加算
ア 調剤管理加算は、複数の保険医療機関から合計で6種類以上の内服薬(特に規定するものを除く。)が処方されている患者であって、初めて処方箋を持参した場合又は2回目以降に処方箋を持参した場合であって処方内容の変更により内服薬の変更又は追加があった場合に、患者又はその家族等に対して、当該患者が服用中の薬剤について、重複投薬、相互作用等の有無を確認した上で、手帳、オンライン資格確認等システムを活用した薬剤情報や特定健診等情報、薬剤服用歴等、直接患者又はその家族等から収集した服薬状況等の情報等に基づき、服薬状況等の情報を一元的に把握し、必要な薬学的分析を行った場合に処方箋受付1回につき算定する。
イ 算定に当たっては、調剤後も患者の服用薬や服薬状況に関する情報等を把握し、必要に応じ処方医に情報提供すること。
ウ アにおいて確認した服薬状況等の情報及び薬学的分析の要点について薬剤服用歴等に記載する。
エ 調剤している内服薬の種類数に屯服薬は含めない。
オ 内服薬の種類数の計算に当たっては、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤及び液剤については、1銘柄ごとに1種類として計算する。
カ 患者の服用する薬剤の副作用の可能性の検討等を行うに当たっては、「高齢者の医薬品適正使用の指針(総論編)」(厚生労働省)、「高齢者の医薬品適正使用の指針(各論編(療養環境別))」(厚生労働省)、「病院における高齢者のポリファーマシー対策の始め方と進め方」(厚生労働省)及び日本老年医学会の関連ガイドライン(高齢者の安全な薬物療法ガイドライン)等を参考にすること。
キ 「2回目以降に処方箋を持参した場合であって処方内容の変更により薬剤の変更又は追加があった場合」とは、薬剤服用歴等が保存されている患者において、当該保険薬局で調剤している内服薬について、処方内容の変更により内服薬の種類が変更した場合又は内服薬の種類数が1種類以上増加した場合をいう。なお、調剤している内服薬と同一薬効分類の有効成分を含む配合剤及び内服薬以外の薬剤への変更は、内服薬の種類が変更した場合に含めない。
(10) 電子的保健医療情報活用加算
ア 電子的保健医療情報活用加算は、オンライン資格確認システムの活用を通じて患者の薬剤情報又は特定健診情報等を取得し、当該情報を活用して調剤を行うことを評価するものであり、別に厚生労働大臣が定める施設基準を満たす保険薬局において、健康保険法第3条第13項に規定する電子資格確認により、患者の薬剤情報等を取得した上で調剤を行った場合に、処方箋受付1回につき月1回に限り3点を所定点数に加算する。算定に当たっては、オンライン資格確認システムの活用を通じて得られる薬剤情報及び特定健診情報等を薬剤服用歴等に記載する。なお、患者に対し薬学的管理及び指導を行う場合には、必要に応じて当該情報を活用すること。
イ 健康保険法第3条第13項に規定する電子資格確認により、当該患者に係る薬剤情報等の取得が困難な場合等にあっては、令和6年3月31日までの間に限り、処方箋受付1回につき3月に1回に限り1点を所定点数に加算する。なお、アを算定したことがある患者が調剤時にイを算定しようとする場合には、アを算定したことをイを算定したこととみなし、算定の可否を判断すること。
ウ 算定に当たっては、電子情報処理組織を使用した診療報酬請求を行っていること。
エ 当該患者に係る薬剤情報等の取得が困難な場合等に該当し、イを算定した患者については、イを算定した日以降は、アの要件を満たせば算定できる。