[通知]第15 精神科救急急性期医療入院料

第15 精神科救急急性期医療入院料
1 精神科救急急性期医療入院料に関する施設基準等
(1) 医療法の規定に基づき許可を受け、若しくは届出をし、又は承認を受けた病床の数以上の入院患者を入院させていないこと。
(2) 当該保険医療機関内に、精神保健指定医が4名以上常勤していること。
(3) 当該保険医療機関内に他の精神病棟が存在する場合は、当該他の精神病棟は、精神病棟入院基本料の10対1入院基本料、13対1入院基本料、15対1入院基本料、18対1入院基本料若しくは20対1入院基本料又は特定入院料を算定している病棟でなければならないこと。
(4) 当該各病棟における常勤の医師の数は、当該病棟の入院患者の数が16又はその端数を増すごとに1以上であること。
(5) 当該各病棟に2名以上の常勤の精神保健福祉士が配置されていること。
(6) 当該各病棟において、日勤帯以外の時間帯にあっては、看護師が常時2名以上配置されていること。
(7) 当該病棟の病床数は、1看護単位当たり60床以下であること。
(8) 当該病棟の病床のうち、隔離室を含む個室が半数以上を占めていること。
(9) 必要な検査及びCT撮影が必要に応じて速やかに実施できる体制にあること。ただし、CT撮影については、他の保険医療機関との連携により速やかに実施できる体制が整備されていれば足りるものとする。
(10) 1月間の当該入院料を算定している病棟の患者の延べ入院日数のうち、4割以上が新規患者の延べ入院日数であること。
(11) 当該病棟の年間の新規患者のうち6割以上が措置入院、緊急措置入院、医療保護入院、応急入院、鑑定入院及び医療観察法入院のいずれかに係るものであること。
(12) 以下の地域における直近1年間における措置入院、緊急措置入院及び応急入院に係る新規入院患者のうち、原則として4分の1以上、又は20件以上の患者を当該病棟において受け入れていること。
ア 当該保険医療機関の所在地の都道府県(政令市の区域を含むものとする。)
イ 1精神科救急医療圏と1基幹病院が対となって明確に区分された圏域がある場合(例えば政令市は市立病院が、政令市以外の地区は県立病院が救急基幹病院となる。)は、当該圏域
(13) 当該保険医療機関における精神科救急急性期医療入院料又は精神科急性期治療病棟入院料を算定する病床数の合計が300床以下であること。
(14) 当該保険医療機関が、精神科救急医療体制整備事業において基幹的な役割を果たしていること。具体的には、次のいずれも満たしていること。
ア 常時精神科救急外来診療が可能であること。
イ 全ての入院形式の患者受入れが可能であること。
ウ 精神疾患に係る時間外、休日又は深夜における入院件数の実績が年間30件以上又は(12)のア又はイの地域における人口1万人当たり0.37件以上であること。そのうち6件以上又は2割以上は、精神科救急情報センター(精神科救急医療体制整備事業)、精神医療相談窓口(精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築推進事業)、救急医療情報センター、他の医療機関、都道府県(政令市の地域を含むものとする。)、市町村、保健所、警察、消防(救急車)からの依頼であること。
(15) 当該病棟において、措置入院患者、鑑定入院患者、医療観察法入院患者及びクロザピンの新規導入を目的とした入院患者を除いた新規入院患者のうち4割以上が入院日から起算して3月以内に退院し、自宅等へ移行すること。「自宅等へ移行する」とは、患家、介護老人保健施設、介護医療院又は障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に規定する障害福祉サービスを行う施設又は福祉ホーム(以下「精神障害者施設」という。)へ移行することである。なお、ここでいう「患家」とは、退院先のうち、同一の保険医療機関の当該入院料に係る病棟以外の病棟へ転棟した場合、他の保険医療機関へ転院した場合及び介護老人保健施設、介護医療院又は精神障害者施設に入所した場合を除いたものをいう(以下この項において同じ。)。
(16) データ提出加算に係る届出を行っている保険医療機関であること。また、当該基準については別添7の様式40の7を用いて届出を行った時点で、当該入院料の届出を行うことができる。なお、令和4年3月31日時点で旧算定方法別表第一区分番号A311の精神科救急入院料に係る届出を行っている保険医療機関については、令和6年3月31日までの間、当該基準を満たしているものとみなす。また、令和4年3月31日において急性期一般入院基本料、特定機能病院入院基本料(一般病棟の場合に限る。)、専門病院入院基本料(13対1入院基本料を除く。)、回復期リハビリテーション病棟入院料1から4若しくは地域包括ケア病棟入院料を算定する病棟若しくは病室をいずれも有しない保険医療機関であって、地域一般入院基本料、療養病棟入院料1若しくは2を算定する病棟、療養病棟入院基本料の注11に係る届出を行っている病棟、専門病院入院基本料(13対1入院基本料に限る。)、障害者施設等入院基本料、特殊疾患入院医療管理料、回復期リハビリテーション病棟入院料5、特殊疾患病棟入院料、緩和ケア病棟入院料若しくは精神科救急急性期医療入院料を算定する病棟のいずれかを有するもののうち、これらの病棟の病床数の合計が当該保険医療機関において200床未満であり、かつ、データ提出加算の届出を行うことが困難であることについて正当な理由があるものは、当分の間、当該基準を満たしているものとみなす。
2 看護職員夜間配置加算の施設基準
(1) 当該病棟において、夜間に看護を行う看護職員の数は、常時、当該病棟の入院患者の数が16又はその端数を増すごとに1に相当する数以上であること。
(2) 行動制限最小化に係る委員会において次の活動を行っていること。
ア 行動制限についての基本的考え方や、やむを得ず行動制限する場合の手順等を盛り込んだ基本指針の整備
イ 患者の病状、院内における行動制限患者の状況に係るレポートをもとに、月1回程度の病状改善、行動制限の状況の適切性及び行動制限最小化のための検討会議の開催
ウ 当該保険医療機関における精神科診療に携わる職員全てを対象とした、精神保健福祉法、隔離拘束の早期解除及び危機予防のための介入技術等に関する研修会の年2回程度の実施
(3) 次に掲げる夜間における看護業務の負担軽減に資する業務管理等に関する項目のうち、ア又はウを含む3項目以上を満たしていること。ただし、当該加算を算定する病棟が2交代制勤務又は変則2交代制勤務を行う病棟のみで構成される保険医療機関である場合は、ア及びウからクまでのうち、ア又はウを含む3項目以上を満たしていること。なお、各項目の留意点については、別添3の第4の3の9の(3)と同様であること。
ア 当該病棟において、夜勤を含む交代制勤務に従事する看護職員の勤務終了時刻と直後の勤務の開始時刻の間が11時間以上であること。
イ 3交代制勤務又は変則3交代制勤務の病棟において、夜勤を含む交代制勤務に従事する看護職員の勤務開始時刻が、直近の勤務の開始時刻の概ね24時間後以降となる勤務編成であること。
ウ 当該病棟において、夜勤を含む交代制勤務に従事する看護職員の連続して行う夜勤の数が2回以下であること。
エ 当該病棟において、夜勤を含む交代制勤務に従事する看護職員の夜勤後の暦日の休日が確保されていること。
オ 当該病棟において、夜勤時間帯の患者のニーズに対応できるよう、早出や遅出等の柔軟な勤務体制の工夫がなされていること。
カ 当該保険医療機関において、所属部署以外の部署を一時的に支援するために、夜勤時間帯を含めた各部署の業務量を把握・調整するシステムが構築されており、かつ、部署間での業務標準化に取り組み、過去一年間に当該システムを夜勤時間帯に運用した実績があること。
キ 当該保険医療機関において、夜勤時間帯を含めて開所している院内保育所を設置しており、夜勤を含む交代制勤務に従事する医療従事者の利用実績があること。
ク 当該病棟において、ICT、AI、IoT等の活用によって、看護職員の業務負担軽減を行っていること。
(4) 看護職員の負担の軽減及び処遇の改善に資する体制を整備していること。当該体制については、別添2の第2の11の(3)の例による。
3 精神科救急急性期医療入院料の「注6」に規定する精神科救急医療体制加算の施設基準等
(1) 精神科救急医療体制加算1の施設基準
ア 次のいずれも満たしていること。
(イ) 精神科救急医療体制整備事業(以下この項において「本事業」という。)に参画し、本事業において入院を要する患者を積極的に受け入れていること。
(ロ) 当該保険医療機関に常勤の精神保健指定医が5名以上配置されていること。
(ハ) 精神疾患に係る時間外、休日又は深夜における入院件数の実績が年間40件以上又は以下の地域における人口1万人当たり0.5件以上であること。そのうち8件以上又は2割以上は、精神科救急情報センター(本事業)、精神医療相談窓口、救急医療情報センター(精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築推進事業)、他の医療機関、都道府県、市町村、保健所、警察、消防(救急車)からの依頼であること。
① 当該保険医療機関の所在地の都道府県(政令市の区域を含むものとする。)
② 1精神科救急医療圏と1基幹病院が対となって明確に区分された圏域がある場合(例えば政令市は市立病院が、政令市以外の地区は県立病院が救急基幹病院となる。)は、当該圏域
(ニ) 当該病棟において、措置入院患者、鑑定入院患者、医療観察法入院患者及びクロザピンの新規導入を目的とした入院患者を除いた新規入院患者のうち6割以上が入院日から起算して3月以内に退院し、自宅等へ移行すること。「自宅等へ移行する」とは、患家、介護老人保健施設、介護医療院又は精神障害者施設へ移行することである。
イ 複数の病棟において当該加算の届出を行う場合については、アの(ハ)の「件以上」を「に届出病棟数を乗じた数以上」と読み替えること。
ウ 病院である保険医療機関の精神病棟を単位とすること。
エ 「精神科救急医療体制整備事業の実施について」に規定する身体合併症救急医療確保事業において、指定を受けている医療機関であること。
(2) 精神科救急医療体制加算2の施設基準
ア (1)のアからウまでを満たすこと。
イ 本事業において、常時対応型施設として指定を受けている医療機関であること。
(3) 精神科救急医療体制加算3の施設基準
ア (1)のアからウまでを満たすこと。
イ 本事業において、病院群輪番型施設として指定を受けている医療機関であること。
(4) 当該加算は病棟の病床単位で届け出ることとし、120床までに限り届出を行うことができる。ただし、令和4年3月31日時点で旧算定方法別表第一区分番号「A311」に掲げる精神科救急入院料の届出を行っている病棟の病床について、都道府県等から当該病棟を有する保険医療機関に関する、地域における医療提供体制や医療計画上の必要性等に係る文書が提出されていることが確認できる場合においては、令和4年3月31日時点で現に旧算定方法別表第一区分番号「A311」に掲げる精神科救急入院料の届出を行っている病床数に限り、120床を超えて届出を行うことができる。なお、その場合には、当該文書の写しを提出すること。
4 届出に関する事項
(1) 精神科救急急性期医療入院料の施設基準に係る届出は、別添7の様式9、様式20(精神保健指定医については、備考欄に指定医番号を記載すること。)、様式53及び様式54を用いることとし、当該病棟の配置図(隔離室の位置が分かるもの。)を添付すること。この場合において、病棟の勤務実績表で看護要員の職種が確認できる場合は、様式20の当該看護要員のみを省略することができること。なお、当該入院料に係る精神科救急医療体制の整備等に係る実績を評価するため、毎年7月において様式53及び様式54を届け出ること。
(2) 「注5」に規定する看護職員夜間配置加算の施設基準に係る届出は、別添7の様式9、様式13の3、様式20及び「特掲診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」の別添2の様式48を用いること。なお、当該加算の様式48に係る届出については、医療保護入院等診療料の届出を行っている場合は、別に地方厚生(支)局長に対して、届出を行う必要はないこと。ただし、当該加算に係る前年度における看護職員の負担の軽減及び処遇の改善に資する計画の取組状況を評価するため、毎年7月において様式13の3を届け出ること。
(3) 「注6」に規定する精神科救急医療体制加算の施設基準に係る届出は、別添7の様式54の2を用いること。
(4) 令和4年3月31日時点で看護職員夜間配置加算に係る届出を行っている保険医療機関については、令和4年9月30日までの間に限り、2の(3)の基準を満たしているものとみなす。