[留意]B001-3 生活習慣病管理料

B001-3 生活習慣病管理料
(1) 生活習慣病管理料は、脂質異常症、高血圧症又は糖尿病を主病とする患者の治療においては生活習慣に関する総合的な治療管理が重要であることから設定されたものであり、治療計画を策定し、当該治療計画に基づき、服薬、運動、休養、栄養、喫煙、家庭での体重や血圧の測定、飲酒及びその他療養を行うに当たっての問題点等の生活習慣に関する総合的な治療管理を行った場合に、許可病床数が200床未満の病院及び診療所である保険医療機関において算定する。この場合において、当該治療計画に基づく総合的な治療管理は、看護師、薬剤師、管理栄養士等の多職種と連携して実施しても差し支えない。なお、区分番号「A000」初診料を算定した日の属する月においては、本管理料は算定しない。
(2) 生活習慣病管理料は、服薬、運動、休養、栄養、喫煙及び飲酒等の生活習慣に関する総合的な治療管理を行う旨、患者に対して療養計画書(療養計画書の様式は、別紙様式9又はこれに準じた様式とする。)により丁寧に説明を行い、患者の同意を得るとともに、当該計画書に患者の署名を受けた場合に算定できるものである。また、交付した療養計画書の写しは診療録に添付しておくものとする。なお、療養計画書は、当該患者の治療管理において必要な項目のみを記載することで差し支えないが、糖尿病の患者については血糖値及びHbA1cの値を、高血圧症の患者については血圧の値を必ず記載すること。
(3) 当該患者の診療に際して行った第1部医学管理等(「B001」の「20」糖尿病合併症管理料、同「22」がん性疼痛緩和指導管理料、同「24」外来緩和ケア管理料及び同「27」糖尿病透析予防指導管理料を除く。)、第3部検査、第6部注射及び第13部病理診断の費用は全て所定点数に含まれる。
(4) 生活習慣病管理料を算定している患者に対しては、少なくとも1月に1回以上の総合的な治療管理が行われなければならない。
(5) 生活習慣病管理料を算定する月においては、服薬、運動、休養、栄養、喫煙、家庭での体重や血圧の測定、飲酒、特定健診・特定保健指導に係る情報提供及びその他療養を行うに当たっての問題点等の生活習慣に関する総合的な治療管理に係る療養計画書(療養計画書の様式は、別紙様式9の2又はこれに準じた様式とする。)を交付するものとするが、当該療養計画書の内容に変更がない場合はこの限りでない。ただし、その場合においても4月に1回以上は交付するものとする。なお、交付した当該療養計画書の写しは診療録に添付しておくものとする。
(6) 当該月に生活習慣病管理料を算定した患者の病状の悪化等の場合には、翌月に生活習慣病管理料を算定しないことができる。
(7) 同一保険医療機関において、脂質異常症、高血圧症又は糖尿病を主病とする患者について、生活習慣病管理料を算定するものと算定しないものが混在するような算定を行うことができるものとする。
(8) 糖尿病又は高血圧症の患者については、治療効果が十分でない等のため生活習慣に関する管理方針の変更、薬物療法の導入、投薬内容の変更等、管理方針を変更した場合に、その理由及び内容等を診療録に記載していること。
(9) 学会等の診療ガイドライン等や診療データベース等の診療支援情報を、必要に応じて、参考にする。
(10) 本管理料を算定する患者について、保険者から特定保健指導を行う目的で情報提供の求めがある場合には、患者の同意の有無を確認し療養計画書に記載するとともに、患者の同意が得られている場合は必要な協力を行うこと。
(11) 糖尿病の患者については、患者の状態に応じて、年1回程度眼科の医師の診察を受けるよう指導を行うこと。
(12) 「注3」に規定する加算については、中等度以上の糖尿病(2型糖尿病の患者であってインスリン製剤を使用していないものに限る。)の患者を対象とし、必要な指導を行った場合に1年に1回に限り算定する。なお、中等度以上の糖尿病の患者とは、当該加算を算定する当月若しくは前月においてヘモグロビンA1c(HbA1c)がJDS 値で8.0%以上(NGSP値で8.4%以上)の者をいう。
(13) 「注3」の加算を算定する患者に対しては、患者教育の観点から血糖自己測定器を用いて月20回以上血糖を自己測定させ、その検査値や生活状況等を報告させるとともに、その報告に基づき、必要な指導を行い療養計画に反映させること。
当該加算は、血糖試験紙(テスト・テープ)又は固定化酵素電極(バイオセンサー)を給付し、在宅で血糖の自己測定をさせ、その記録に基づき指導を行った場合に算定するものであり、血糖試験紙、固定化酵素電極、穿刺器、穿刺針及び測定機器を患者に給付又は貸与した場合における費用その他血糖自己測定に係る全ての費用は当該加算点数に含まれ、別に算定できない。
(14) 「注4」に規定する外来データ提出加算を算定する場合には、以下の要件を満たすこと。
ア 厚生労働省が毎年実施する「外来医療、在宅医療、リハビリテーション医療の影響評価に係る調査」(以下「外来医療等調査」という。)に準拠したデータを正確に作成し、継続して提出されることを評価したものである。
提出されたデータについては、特定の患者個人を特定できないように集計し、厚生労働省保険局において外来医療等に係る実態の把握・分析等のために適宜活用されるものである。
イ 当該加算は、データ提出の実績が認められた保険医療機関において、生活習慣病管理料を現に算定している患者について、データを提出する外来診療に限り算定する。
ウ データの提出を行っていない場合又はデータの提出(データの再照会に係る提出も含む。)に遅延等が認められた場合、当該月の翌々月以降について、算定できない。なお、遅延等とは、厚生労働省が調査の一部事務を委託する調査事務局宛てに、外来医療等調査の調査実施説明資料(以下「調査実施説明資料」という。)に定められた期限までに、当該医療機関のデータが提出されていない場合(提出時刻が確認できない手段等、調査実施説明資料にて定められた提出方法以外の方法で提出された場合を含む。)、提出されたデータが調査実施説明資料に定められたデータと異なる内容であった場合(データが格納されていない空の媒体が提出された場合を含む。)をいう。
また、算定ができなくなった月以降、再度、データ提出の実績が認められた場合は、翌々月以降について、算定ができる。
エ データの作成は3月単位で行うものとし、作成されたデータには第1月の初日から第3月の末日までにおいて対象となる診療に係るデータが全て含まれていなければならない。
オ イの「データ提出の実績が認められた保険医療機関」とは、データの提出が厚生労働省保険局医療課において確認され、その旨を通知された保険医療機関をいう。