[留意]A100 一般病棟入院基本料

A100 一般病棟入院基本料
(1) 一般病棟入院基本料は、「注1」の入院基本料、「注2」の特別入院基本料並びに月平均夜勤時間超過減算及び「注7」の夜勤時間特別入院基本料から構成され、「注1」の入院基本料については、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして届け出た一般病棟に入院している患者について、各区分の所定点数を算定し、「注2」の特別入院基本料並びに月平均夜勤時間超過減算及び「注7」の夜勤時間特別入院基本料については、届け出た一般病棟に入院している患者について算定する。
(2) 当該保険医療機関において複数の一般病棟がある場合には、当該病棟のうち、障害者施設等入院基本料等又は特殊疾患病棟入院料等の特定入院料(病棟単位で行うものに限る。)を算定する病棟以外の病棟については、同じ区分の一般病棟入院基本料を算定するものとする。ただし、「基本診療料の施設基準等及びその届出に関する手続きの取扱いについて」の別紙2に掲げる医療を提供しているが医療資源の少ない地域に属する保険医療機関(特定機能病院、許可病床数が400床以上の病院、DPC対象病院及び一般病棟入院基本料に係る届出において急性期一般入院料1のみを届け出ている病院を除く。)の一般病棟においては、病棟ごとに違う区分の入院基本料を算定しても差し支えない。
(3) 「注3」の加算に係る入院期間の起算日は、第2部通則5に規定する起算日とする。
(4) 「注4」に規定する重症児(者)受入連携加算は、集中治療を経た新生児等を急性期の医療機関から受け入れ、病態の安定化のために密度の高い医療を提供することを評価したものであり、入院前の医療機関において区分番号「A246」入退院支援加算3が算定された患者を一般病棟(地域一般入院基本料に限る。)で受け入れた場合に入院初日に算定する。ここでいう入院初日とは、第2部通則5に規定する起算日のことをいい、入院期間が通算される再入院の初日は算定できない。なお、特別入院基本料等を算定する場合は、当該加算は算定できない。
(5) 「注5」に規定する救急・在宅等支援病床初期加算は、急性期医療の後方病床を確保し、在宅患者や介護老人保健施設、介護保険法(平成9年法律第123号)第8条第29項に規定する介護医療院(以下「介護医療院」という。)、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム等(以下「介護老人保健施設等」という。)の入所者等の状態が軽度悪化した際に入院医療を提供できる病床を確保することにより、急性期医療を支えることを目的として、一般病棟(地域一般入院基本料、13対1入院基本料又は15対1入院基本料に限る。)が有する以下のような機能を評価したものであり、転院又は入院した日から起算して14日を限度に算定できる。当該加算を算定するに当たっては、入院前の患者の居場所(転院の場合は入院前の医療機関名)、自院の入院歴の有無、入院までの経過等を診療録に記載すること。
ア 急性期医療を担う病院に入院し、急性期治療を終えて一定程度状態が安定した患者を速やかに一般病棟が受け入れることにより、急性期医療を担う病院を後方支援する。急性期医療を担う病院の一般病棟とは、具体的には、急性期一般入院基本料、7対1入院基本料若しくは10対1入院基本料(特定機能病院入院基本料(一般病棟に限る。)又は専門病院入院基本料に限る。)、救命救急入院料、特定集中治療室管理料、ハイケアユニット入院医療管理料、脳卒中ケアユニット入院医療管理料、小児特定集中治療室管理料、新生児特定集中治療室管理料、総合周産期特定集中治療室管理料、新生児治療回復室入院医療管理料、一類感染症患者入院医療管理料、特殊疾患入院医療管理料又は小児入院医療管理料を算定する病棟であること。なお、同一医療機関において当該一般病棟に転棟した患者については、算定できない。
イ 自宅や介護老人保健施設等で療養を継続している患者が、軽微な発熱や下痢等の症状をきたしたために入院医療を要する状態になった際に、一般病棟(地域一般入院基本料、13対1入院基本料又は15対1入院基本料に限る。)が速やかに当該患者を受け入れる体制を有していることにより、自宅や介護老人保健施設等における療養の継続を後方支援する。なお、当該加算を算定する一般病棟を有する病院に介護老人保健施設等が併設されている場合は、当該併設介護老人保健施設等から受け入れた患者については算定できないものとする。
(6) 一般病棟入院基本料の算定患者が90日を超える期間一般病棟に入院している場合((8)に規定するアの方法により算定している患者を除く。)は、平均在院日数の算定の対象から除外すること。このため、一般病棟入院基本料の算定患者を入院させる保険医療機関においては、当該患者の人数等が明確に分かるような名簿を月ごとに作成し、適切に管理しておく必要があること。
(7) 一般病棟入院基本料を算定する病棟については、「注10」に掲げる入院基本料等加算について、それぞれの算定要件を満たす場合に算定できる。
(8) 一般病棟入院基本料(特別入院基本料を除く。)を算定する病棟に入院している患者であって、当該病棟に90日を超えて入院する患者については、下記のいずれかにより算定する。
ア 引き続き一般病棟入院基本料を算定する(平均在院日数の算定の対象となる。)。
イ 一般病棟入院基本料の「注11」の規定により、区分番号「A101」療養病棟入院料1の例により算定する。(平均在院日数の算定の対象とならない。)
上記については、当該保険医療機関の病棟ごとの取扱いとなるが、上記イにより算定する場合については、あらかじめ地方厚生(支)局長に届け出た病棟に限る。
平成26年3月31日時点で当該病棟(平成26年改定前における7対1入院基本料又は10対1入院基本料に限る。)に入院していた患者であって、イの方法により算定する者については、当分の間、医療区分を3とする。
(9) (8)のイにより、区分番号「A101」の療養病棟入院料1の例により算定する場合の費用の請求については、当該保険医療機関に入院した日を入院初日として、下記のとおりとする。
ア 区分番号「A101」療養病棟入院基本料の「注3」に規定する費用は入院基本料に含まれるため、別に算定できない。
イ 区分番号「A101」療養病棟入院基本料の「注4」に規定する褥瘡対策加算1又は2を算定することができる。
ウ 区分番号「A101」療養病棟入院基本料の「注5」に規定する重症児(者)受入連携加算及び「注6」に規定する急性期患者支援療養病床初期加算及び在宅患者支援療養病床初期加算は算定することができない。
エ 区分番号「A101」療養病棟入院基本料の「注7」に規定する加算のうち、以下のものを算定することができる。
(イ) 乳幼児加算・幼児加算
(ロ) 超重症児(者)入院診療加算・準超重症児(者)入院診療加算(算定日数の上限については、療養病棟に入院しているものとして取り扱う。)
(ハ) 地域加算
(ニ) 離島加算
(ホ) HIV感染者療養環境特別加算
(ヘ) 療養病棟療養環境加算(別に届出を行った場合に限る。)
(ト) 重症皮膚潰瘍管理加算(別に届出を行った場合に限る。)
(チ) 栄養サポートチーム加算(ただし、当該保険医療機関に入院した日を入院初日と起算して算定する。)
(リ) 感染対策向上加算3(ただし、当該保険医療機関に入院した日を入院初日と起算して算定する。)
(ヌ) 入退院支援加算(ただし、当該保険医療機関に入院した日を入院初日として、区分番号「A246」入退院支援加算1又は2のロに規定する療養病棟入院基本料等の場合の例により算定する。)
(ル) データ提出加算
(ヲ) 排尿自立支援加算
オ 区分番号「A101」療養病棟入院基本料の「注9」に規定する慢性維持透析管理加算を算定することができる。
カ 区分番号「A101」療養病棟入院基本料の「注10」に規定する在宅復帰機能強化加算は算定することができない。
キ 区分番号「B005-7」認知症専門診断管理料の算定に当たっては、(8)のイにより区分番号「A101」の療養病棟入院料1の例により算定する患者を、「療養病棟に入院している患者」とみなす。
(10) 「注11」の規定により、区分番号「A101」の療養病棟入院料1の入院料Aから入院料Fのいずれかを算定する場合にあっては、定期的(少なくとも月に1回)に患者又はその家族に対して、当該患者の病状や治療内容等の入院療養の状況及び各区分への該当状況について、別紙様式2又はこれに準ずる様式により作成した書面又はその写しを交付のうえ、十分な説明を行うとともに診療録に添付すること。
(11) 「注12」に規定するADL維持向上等体制加算は、急性期医療において、入院中の患者の日常生活機能(以下「ADL」という。)の維持、向上等を目的として、リハビリテーション専門職等が当該病棟において以下のアからケまでに掲げる取組を行った場合であって、あらかじめ専従又は専任を含む常勤理学療法士、常勤作業療法士又は常勤言語聴覚士(以下(11)において「常勤理学療法士等」という。)をあわせて5名を上限として定めた上で、当該常勤理学療法士等のいずれかが当該病棟で実際に6時間以上(ADL維持向上等体制加算の算定を終了した当該病棟の患者について、引き続き、区分番号「H000」心大血管疾患リハビリテーション料、区分番号「H001」脳血管疾患等リハビリテーション料、区分番号「H001-2」廃用症候群リハビリテーション料、区分番号「H002」運動器リハビリテーション料、区分番号「H003」呼吸器リハビリテーション料、区分番号「H004」摂食機能療法、区分番号「H005」視能訓練、区分番号「H007」障害児(者)リハビリテーション料、区分番号「H007-2」がん患者リハビリテーション料、区分番号「H007-3」認知症患者リハビリテーション料又は区分番号「H008」集団コミュニケーション療法料(以下(11)において「疾患別リハビリテーション料等」という。)を算定した場合は、1日2時間を超えない範囲でその時間を含んでよい。)勤務した日に限り、患者1人につき入院した日から起算して14日を限度に算定できる。
ただし、当該加算の対象となる患者であっても、当該患者に対して疾患別リハビリテーション料等を算定した場合は、当該療法を開始した日から当該加算を算定することはできない。
ア 入院患者に対する定期的なADLの評価は、別紙様式7の2又はこれに準ずる様式を用いて行っていること。
イ 入院患者に対するADLの維持、向上等を目的とした指導を行っていること。
ウ 必要最小限の抑制とした上で、転倒転落を防止する対策を行っていること。
エ 必要に応じて患者の家族に対して、患者の状況を情報提供していること。
オ 入院患者のADLの維持、向上等に係るカンファレンスが定期的に開催されており、医師、看護師及び必要に応じてその他の職種が参加していること。
カ 指導内容等について、診療録等に記載すること。
キ 自宅等、想定される退棟先の環境を把握し、退棟後に起こりうるリスクについて、多職種のカンファレンスで共有していること。
ク 必要に応じて他の職種と共同し、機能予後について患者がどのように理解しているかを把握し、多職種のカンファレンスで共有していること。
ケ 必要に応じて他の職種と共同し、患者が再び実現したいと願っている活動や社会参加等について、その優先順位と共に把握し、多職種のカンファレンスで共有していること。また、特別入院基本料等を算定する場合は、当該加算は算定できない。