[留意]A234-2 感染対策向上加算

A234-2 感染対策向上加算
(1) 感染対策向上加算は、第2部通則7に規定する院内感染防止対策を行った上で、更に院内に感染制御チームを設置し、院内感染状況の把握、抗菌薬の適正使用、職員の感染防止等を行うことによる医療機関の感染防止対策の実施や地域の医療機関等が連携して実施する感染症対策の取組、新興感染症の発生時等に都道府県等の要請を受けて感染症患者を受け入れる体制等の確保を評価するものであり、当該保険医療機関に入院している患者について、感染対策向上加算1及び感染対策向上加算2は入院初日、感染対策向上加算3は入院初日及び入院期間が90日を超えるごとに1回算定する。90日を超えるごとの計算は、入院日から起算して91日目、181日目等と計算する。なお、ここでいう入院とは、第2部通則5に規定する入院期間中の入院のことをいい、感染対策向上加算1及び2については入院期間が通算される再入院の場合は算定できず、感染対策向上加算3については通算した入院期間から算出し算定する。
(2) 感染制御チームは以下の業務を行うものとする。
ア 感染制御チームは、1週間に1回程度、定期的に院内を巡回し、院内感染事例の把握を行うとともに、院内感染防止対策の実施状況の把握・指導を行う。また、院内感染事例、院内感染の発生率に関するサーベイランス等の情報を分析、評価し、効率的な感染対策に役立てる。院内感染の増加が確認された場合には病棟ラウンドの所見及びサーベイランスデータ等を基に改善策を講じる。巡回、院内感染に関する情報を記録に残す。
イ 感染制御チームは微生物学的検査を適宜利用し、抗菌薬の適正使用を推進する。感染対策向上加算1及び感染対策向上加算2の届出を行っている保険医療機関にあっては、バンコマイシン等の抗MRSA薬及び広域抗菌薬等の使用に際して届出制又は許可制をとり、投与量、投与期間の把握を行い、臨床上問題となると判断した場合には、投与方法の適正化をはかる。感染対策向上加算3の届出を行っている保険医療機関にあっては、感染対策向上加算1を算定する他の保険医療機関又は地域の医師会とのカンファレンス等により助言を受け、適切に抗MRSA薬及び広域抗菌薬等が使用されているか確認する。
ウ 感染制御チームは院内感染対策を目的とした職員の研修を行う。また院内感染に関するマニュアルを作成し、職員がそのマニュアルを遵守していることを巡回時に確認する。
エ 感染制御チームは緊急時に地域の医療機関同士が速やかに連携して各医療機関の対応への支援がなされるよう、日常的な相互の協力関係を築く。なお、その際、感染対策向上加算1の届出を行っている保険医療機関の感染制御チームが中心的な役割を担う。
オ 感染制御チームは保健所や地域の医師会と適切な連携体制を構築する。
(3) 「注2」に規定する指導強化加算は、感染対策向上加算1の届出を行っている保険医療機関が感染対策向上加算2、感染対策向上加算3又は区分番号「A000」の「注11」若しくは区分番号「A001」の「注15」に掲げる外来感染対策向上加算を算定する他の保険医療機関に対し、院内感染対策等に係る助言を行っている場合に算定する。
(4) 「注3」に規定する連携強化加算は、感染対策向上加算2又は感染対策向上加算3の届出を行っている保険医療機関が、感染対策向上加算1の届出を行っている保険医療機関に対し、感染症の発生状況、抗菌薬の使用状況等について報告を行っている場合に算定する。
(5) 「注4」に規定するサーベイランス強化加算は、感染対策向上加算2又は感染対策向上加算3を算定する保険医療機関が、院内感染対策サーベイランス(JANIS)、感染対策連携共通プラットフォーム(J-SIPHE)等、地域や全国のサーベイランスに参加している場合に算定する。