[留意]I003-2 認知療法・認知行動療法

I003-2 認知療法・認知行動療法(1) 認知療法・認知行動療法とは、入院中の患者以外のうつ病等の気分障害、強迫性障害、社交不安障害、パニック障害、心的外傷後ストレス障害又は神経性過食症の患者に対して、認知の偏りを修正し、問題解決を手助けすることによって治療することを目的とした精神療法をいう。(2) 認知療法・認知行動療法は、一連の治療計画を策定し、患者に対して詳細な説明を行った上で、当該療法に関する研修を受講するなど当該療法に習熟した医師によって30分を超えて治療が行われた場合(「2」において、看護師により30分を超える面接が行われ、その後当該療法に習熟した医師により5分以上の面接が行われた場合を含む。)に算定する。(3) 一連の治療につき16回に限り算定する。(4) 認知療法・認知行動療法と同一日に行う他の精神科専門療法は、別に算定できない。(5) うつ病等の気分障害の患者に対する認知療法・認知行動療法の実施に当たっては、厚生労働科学研究班作成の「うつ病の認知療法・認知行動療法治療者用マニュアル」(平成21年度厚生労働省こころの健康科学研究事業「精神療法の実施方法と有効性に関する研究」)に従って行った場合に限り、算定できる。(6) 強迫性障害の患者に対する認知療法・認知行動療法の実施に当たっては、厚生労働科学研究班作成の「強迫性障害(強迫症)の認知行動療法マニュアル(治療者用)」(平成27年度厚生労働省障害者対策総合研究事業「認知行動療法等の精神療法の科学的エビデンスに基づいた標準治療の開発と普及に関する研究」)に従って行った場合に限り、算定できる。(7) 社交不安障害の患者に対する認知療法・認知行動療法の実施に当たっては、厚生労働科学研究班作成の「社交不安障害(社交不安症)の認知行動療法マニュアル(治療者用)」(平成27年度厚生労働省障害者対策総合研究事業「認知行動療法等の精神療法の科学的エビデンスに基づいた標準治療の開発と普及に関する研究」)に従って行った場合に限り、算定できる。(8) パニック障害の患者に対する認知療法・認知行動療法の実施に当たっては、厚生労働科学研究班作成の「パニック障害(パニック症)の認知行動療法マニュアル(治療者用)」(平成27年度厚生労働省障害者対策総合研究事業「認知行動療法等の精神療法の科学的エビデンスに基づいた標準治療の開発と普及に関する研究」)に従って行った場合に限り、算定できる。(9) 心的外傷後ストレス障害に対する認知療法・認知行動療法の実施に当たっては、厚生労働科学研究班作成の「PTSD(心的外傷後ストレス障害)の認知行動療法マニュアル〔持続エクスポージャー療法/PE療法〕(平成27年度厚生労働省障害者対策総合研究事業「認知行動療法等の精神療法の科学的エビデンスに基づいた標準治療の開発と普及に関する研究」)に従って行った場合に限り、算定できる。(10) 神経性過食症に対する認知療法・認知行動療法の実施に当たっては、国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター研究班作成の「摂食障害に対する認知行動療法CBTE簡易マニュアル」(平成29年度国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター精神・神経疾患研究開発費研究事業「心身症・摂食障害の治療プログラムと臨床マーカーの検証」)に従って行った場合に限り、算定できる。(11) 認知療法・認知行動療法を行った場合は、その要点及び診療時間を診療録に記載する。(12) 認知療法・認知行動療法の「2」は、別に厚生労働大臣が定める施設基準に適合するものとして地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関において、入院中の患者以外のうつ病等の気分障害の患者に対して、医師が治療を行うに当たり、治療に係る面接の一部を専任の看護師が実施した場合に算定する。ただし、この場合にあっては、次の全てを満たすこと。ア 初回時又は治療終了時を予定する回の治療に係る面接は専任の医師が実施し、専任の看護師が同席すること。イ 初回から治療を終了するまでの間の治療は、初回時に同席した看護師が実施し、当該看護師による面接後に、専任の医師が患者と5分以上面接すること。ウ 看護師が面接を実施する場合は、患者の同意を得た上で当該面接の内容を録音し、専任の医師はその内容を、指示又は指導の参考とすること。(13) 認知療法・認知行動療法の「1」及び「2」は、一連の治療において同一の点数を算定する。ただし、「2」の要件を満たす場合のうち、医師と看護師が同席して30分以上の面接を行った日に限り、「1」の点数を算定できる。

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