[留意]M030 有床義歯内面適合法

M030 有床義歯内面適合法
(1) 有床義歯内面適合法(有床義歯床裏装)は、アクリリック樹脂又は熱可塑性樹脂で製作された義歯床の粘膜面を一層削除し、新たに義歯床の床裏装を行った場合に当該義歯の人工歯数に応じ所定点数を算定する。
(2) 「2 軟質材料を用いる場合」は、顎堤の吸収が著しい又は顎堤粘膜が菲薄である等、硬質材料による床裏装では症状の改善が困難である下顎総義歯患者又は区分番号M025に掲げる口蓋補綴、顎補綴の(1)のイに規定する装置(義歯を伴う場合を含む。)による補綴を行い、有床義歯装着後、当該義歯不適合の患者に対して、義歯床用軟質裏装材を使用して間接法により床裏装を行った場合に算定する。ただし、区分番号M025に掲げる口蓋補綴、顎補綴の(1)のイに規定する装置(義歯を伴う場合を含む。)による補綴を行い、有床義歯装着後、当該義歯不適合の患者に対して、義歯床用軟質裏装材を使用して直接法により床裏装を行った場合はこの限りではない。なお、「2 軟質材料を用いる場合」の算定に当たっては、顎堤吸収の状態、顎堤粘膜の状態等、症状の要点及び使用した材料名を診療録に記載する。
(3) 「2 軟質材料を用いる場合」を算定した日の属する月から起算して6月以内は、区分番号I022に掲げる有床義歯床下粘膜調整処置の算定はできない。
(4) 旧義歯において顎堤の吸収が著しい又は顎堤粘膜が菲薄である等により、「2 軟質材料を用いる場合」を算定した患者に対して新たな有床義歯、口蓋補綴又は顎補綴を製作する場合において、引き続き軟質材料を用いることが必要な場合は、新製時に義歯床用軟質裏装材を用いて総義歯、口蓋補綴又は顎補綴を製作して差し支えない。この場合において、新製有床義歯装着時に、当該区分を「注2」の規定により別に算定して差し支えない。また、有床義歯の特定保険医療材料料とは別に当該区分の特定保険医療材料料を算定する。
(5) 義歯が不適合で有床義歯を新たに製作することを前提に行った床裏装は、有床義歯修理の所定点数により算定する。
(6) 義歯破損に際し義歯修理のみにより当初の目的を達せられない場合であって、歯科医学的判断により、床裏装を行ったときは、有床義歯修理及び有床義歯内面適合法(有床義歯床裏装)の点数をそれぞれ算定する。ただし、同日に直接法により床裏装を行った場合の修理は、有床義歯内面適合法の所定点数に含まれる。
(7) 床裏装に際しての印象採得料は、区分番号M003に掲げる印象採得の「2のロ 連合印象」により算定する。
(8) 区分番号M025に掲げる口蓋補綴、顎補綴の(1)のイに規定する装置(義歯を伴う場合を含む。)による補綴を行い、有床義歯装着後、当該義歯不適合のため硬質材料を用いて床裏装を行った場合は、「1のロ 総義歯」により算定する。
(9) 有床義歯の換床を行った場合は、本区分により算定する。
(10) 「注4」及び「注5」に規定する加算は、当該加算に係る施設基準に適合するものとして地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関において、不適合になった有床義歯に係る診療を行い、床裏装のために患者から当該有床義歯を預かった場合であって、当該患者の求めに応じて、預かり日から起算して2日以内において、当該保険医療機関内に配置されている歯科技工士を活用して床裏装を行い、装着した場合に所定点数に加算する。なお、当該加算の算定に当たっては、預かり日を診療録に記載する。